第52話 数百年前の剣士
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この小説の夢小説設定鬼滅の刃のIFストーリー(もちろん二次創作)
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「それにしても・・・・この特訓、何日目?」
「五日目です・・・」
「炭治郎、君、まだ体が全快じゃないことわかってるよね?」
「はい・・・」
「ご飯食べてる?」
「食べさせてももらえないです・・・」
「え?」
何とこの五日間、縁壱零式に連敗なる度に小鉄少年から『飯抜き』宣言をされていたんだとか・・・。
「炭治郎っ!」
いくら分析力が高いとはいえ相手は剣術にド素人な子供だ。どのくらいが人間の命の限界かご存知ではないため相当なエグい日々だったらしい。
無知故の純粋な暴挙とはいえ、これは見過ごせない。
「とりあえずお水飲みなさい、あと干し菓子も食べなさい」
「え?でも・・・・」
「小鉄くんのことは心配いらないから」
「ああ――っ!!!何やってるんですか!?炭治郎さんはまだ特訓の途中で・・・・」
「小鉄くん・・・」
「!?」
いきなり霧香の雰囲気が変わったので驚く小鉄。
「炭治郎は人形じゃないんだよ?五日も飲まず食わずなんてやってたらそのうちぽっくり逝っちゃうからね?わかる?」
「は、はいっ・・・」
「私の弟弟子を鬼狩り以外で死なせたら・・・君の事、絶対許さないからね」
乱暴な言葉を使っていないとしても凄い覇気だ、小鉄少年は炭治郎に感じたものとはまた違うものを霧香から感じ取った。
「とりあえず小休憩ついでに水分と少しの食料は与えてあげて、君の目的のためにも炭治郎には頑張ってもらわないといけないんでしょ?」
「はい・・・」
こうして霧香の助言もあり、炭治郎の修行は見直されたが・・・それでもきつかった。
何せエネルギー補給と運動量のバランスが釣り合っていないのだ。
恐ろしいほどの運動量の中でのほぼ絶水、絶食、絶眠・・・普通の人間なら三日で死んでいる。
―――――――――――――――
「霧香さんは炭治郎さんが大切なんですね」
「そりゃあ、弟弟子だし・・・実際、下の弟妹がいないから余計に可愛いのかもしれない」
炭治郎が修行に勤しんでいる中、近くの茂みで様子を窺っている霧香と小鉄。
助言から二日、まだ炭治郎に進歩は見られない。
「しかし、同じ師匠の元にいて炭治郎さんは何で基本がなってないんでしょう?」
「う~ん・・・個人的には修行年数だと思うよ、私は実家でもしてたし、師匠のところでは七年やってたからね。
やっぱり日々の鍛錬の結果かな?実践も大事だと思うけれど炭治郎と私とでは剣術の修行に費やした年月の差が今、実践で出てるんだと思うよ」
「なるほど、説得力がある」
しみじみ頷く小鉄。
「じゃあ霧香さんから炭治郎さんに何か助言してあげるのはどうですか?」
「う~ん・・・こればかりは炭治郎が自分で気づかないとな」
「難しいんですか?」
「例えばさ、小鉄くんが里の人から自分では全く理解できない感覚の話をされたら納得する?
それこそ刀打つ時にこうしろ、ああしろとか、刀の腹がこうなってるだろうとか言われた時、助言してくれる人には見えていても自分には見えないことに対していくら言われても納得できないでしょ?」
「ええ、まあ・・・」
「剣術も一緒だよ、私の目に見えているものが炭治郎にも見えているとは限らない・・・それはその境地に至っている者同士でなければわからないんだよ」
「ふ~ん・・・そうですかぁ」
剣術にド素人な小鉄には難しかったようで唸っている。
「あはは、ごめんね。難しい事言って・・・つまりは炭治郎が『視える』ようになってくれなければ、あの人形に一撃を与えることはできない」
霧香は縁壱零式の動きが少しずつ見え始めていたのだ、これは遊廓の任務の最中、妖化をした直後から明確になったものだ。
周りの雑音が消え、相手の動きがゆっくりになってくる。
腕や足の四肢の動きに加え、相手の表情、体の動きなどが視えてくる。妓夫太郎の飛血鎌を避けられたのも、体に負傷を負わせることが出来たのもそのためだ。