第50話 霞柱・時透無一郎
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この小説の夢小説設定鬼滅の刃のIFストーリー(もちろん二次創作)
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「ありがとう」
「ほら、行くよ」
鍵を受け取ったのを確認すると無一郎は霧香の腕を引っ張って進んでいく。
(無理矢理ではあるものの)彼の後ろについて行くと開けた場所に出た。
そこにには一体の成人男性の大きさをした絡繰り人形が置いてあった。
普通の絡繰り人形と違うのは腕が左右三本ずつあり、すべて刀を持っていること。
「・・・・・」
霧香は絡繰り人形を凝視していた、肩当ての鎧が竹素材のようなのでおそらく随分昔のものだろう。
「鍵、貸して」
無一郎が手を出してくる。
「?」
「君があの子供からもらった鍵だよ、ないとコレ(人形)が動かせない」
「ああ・・・」
鍵を無一郎に渡すと首の後ろの穴に差し込んだ、鍵とはゼンマイの役割をするものだったようだ。
ギイ・・・ギイ・・・
ねじが巻かれる音がすると顔を伏せていた人形が身を起こし始めた。
「!」
絡繰り人形の顔は男性、中世的な顔つきだがとても綺麗だった。しかし無一郎との特訓でなのか自然になのかはわからないが左目がひび割れ、欠けており、中の鉄部分が見えていた。
「・・・・・」
その人形の顔を見て霧香は不思議な気持ちになった。
〈この人・・・私、知ってる・・・?〉
初めて見る顔のはずなのに人形の顔を見てどこか懐かしいと思ってしまったのだ。
ガタンッ!!
「!?」
大きな音がしたかと思うと人形が六本の腕を振りかぶってきた。
「つっ!」
ギャッ!ギャンッ!ギュイィッ!
『僕が相手するのは絡繰り人形だよ、ただの人形じゃない、百八の動作ができるもの・・・』
〈百八の動きをする絡繰り人形っ・・・確かに合計六本もあればそれも可能だろう、でもっ!〉
ギュイィィ――ンッ!!
身体を回転させながら突っ込んで来る人形。
辛うじて攻撃は避けたものの袴の布が裂かれた。
「へえ・・・君、結構身軽なんだね」
「そんなとこで優雅に見物してないでくださいよっ!!」
「実際に戦ってみればわかるって言ったでしょ・・・それに君の能力にも少し興味があったから」
「ソウデスカ・・・それで、あれはいったいどういった人形なんです?」
先程の少年を庇ったことを根に持っているようだ、少し痛い目に遭えばいいとでも思ったのだろうか、無一郎の平然としている。
それに少々怒りながらも説明を求めた。
「戦闘用訓練用の絡繰り人形だよ、細かいことは僕も知らないし覚えてないよ」
どうやら説明を受けたようだが忘れてしまったらしい。
「でもあの子供の祖先が作ったらしいよ・・・何だったけ?」
名前を思い出そうと小首を傾げてる無一郎。
「ああ・・・確か、よりいち・・・『縁壱零式』って言ってた」
〈よりいち・・・〉
・・・・殿
『縁壱』
その名前を聞いた時、霧香の心が何故か少し痛んだ。
続く