第46話 半妖
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この小説の夢小説設定鬼滅の刃のIFストーリー(もちろん二次創作)
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「大丈夫ですか?海野様」
「つっ・・・はい、失礼いたしました」
炭治郎のことで少しショックを受けていた霧香だったがあまねの声に我に返った。
「それは・・・確かなことですか?」
「はい、既に報告を受けております」
「わかりました、炭治郎に痣が発現したのであれば本人の事実確認に私が異を唱えることはありません」
「よろしいのですか?」
「はい、竈門炭治郎は鬼殺隊の一般隊士です。私が口を出すのは約定に反します故、お館様と奥方様たちの判断にお任せいたします」
「わかりました、五大呪術家にも痣のことについては今後も詳細をお聞きすることがあると思いますがよろしくお願いいたします」
「それにつきましても五家当主が判断することでございます、遠慮は無用です」
「ありがとうございます」
『遠慮は無用』と言いながらも炭治郎のことについては若干モヤモヤが残っていた、しかし出しゃばることは『平等の立場』についての約定に反する。自分はもう子供ではないのだ、何より炭治郎も『鬼舞辻を倒す』方法を止めるのは望まないと思う。
「ご用件は以上でしょうか?」
「いいえ、もう一つございます・・・これは当主である輝哉自身が言っていた用件です」
「お館様が?」
「今回の任務の功績を称え、竈門炭治郎、吾妻善逸、嘴平伊之助・・・・そしてあなた方、華陽隊の階級を昇格させると。
華陽隊の階級は『戊(つちのえ)』から『甲(きのえ)』になるとのことです」
「!」
これは驚きだ、遊廓の潜入の任務の前に『戊(つちのえ)』の昇格になったばかりだというのに、ここで更なる昇格とは・・・。
「理由をお聞かせください」
「当主の輝哉は無限列車の任務を終了と報告を聞いた時、あなたを『丙(ひのえ)』に昇格させようと考えていました」
「え?」
「新たな柱の候補として地位を確立するためです。華陽隊の皆様は女性ではありますが並々ならぬ実力の持ち主、その中でもあなたは十二鬼月との巡り合わせも強い。
そして那田蜘蛛山で下弦の伍、無限列車で下弦の壱、上弦の参と対等もしくは打ち倒すに匹敵する力を持っていることを身をもって証明いたしました。
ですが海野家現当主の晴哉様とお父上の瀬津寿様が異を唱えました」
「兄と父が?」
「はい、昇格のお話を申し出たところお二人はこう仰いました。
『我ら五家の間でも立場は対等、亀裂の入ることは避けたい』と・・・。
確かに鬼舞辻に近い鬼との巡り合わせが多く、無限列車では下弦の壱が融合した列車内に捕らえられている二百人の乗客を救ったことは賞賛に値する、しかし、それは一人で為しえたことではない。
煉獄様や竈門様たち、華陽隊の他二人がいたからこそだと。
また結果的に下弦の壱の首を斬った者、補助をした者の方を大きな功績をたてたとして優先的に昇格させるべきだともおっしゃっていました。
そして改めて話し合った結果、あなた方、華陽隊の三名の階級を『戊(つちのえ)』、竈門炭治郎、我妻善逸、嘴平伊之助の三名を『庚(かのえ)』にすることで決定したのです」
「そうでしたか・・・しかし、お館様がそこまで評価をしていただいたことを初めて知りました」
「夫はあなた方、華陽隊にとても期待していますよ」
あまねはニッコリ笑っている。
「しかしながら『甲(きのえ)』昇格のお話はやはり承諾しかねます」
「何故ですか?」
「今回の任務でも上弦の陸の頸を斬ったのは私ではありません、黒鉄琴乃、焔アカリです」
「しかしあなたが上弦の陸の兄鬼を弱らせたからこそ隙が生まれたと聞いていますが・・・」
「焔アカリや我妻善逸たちが妹鬼を食い止めていなければ・・・宇随様や琴乃が力を貸してくれなければ、あそこまで弱らせることはできなかったでしょう。
そして最終的に兄妹鬼の頸を斬ったのは彼女たちです。
彼女たちが『甲』になるというならば納得です。私が昇格するならば今度こそ『丙(ひのえ)』にする方がよろしいかと・・・」
「そうですか・・・」
あまねは残念そうに表情を曇らせる。
「ですが・・・お館様が『柱候補』とまで私のことを期待していただけいているお気持ちを無下にするわけにもいきません。
そこで昇格につきましては一つ、私から進言させていただいてもよろしいでしょうか?」
「何でしょう?」
「次に十二鬼月に遭遇した際、その鬼の頸を私自らが斬った時、改めて『甲』の階級を頂戴したく思います。
そもそも『功績』というのは『成し遂げた成果を評価していただく』というものです。
二百人の乗客を救ったことや今回の上弦の陸との戦いで私が成せたこともあるでしょう、ですがそれは二の次に評価していただくこと。
そして『柱』になる条件の一つは『十二鬼月を倒すこと』、今ここで二の次の評価で『柱候補』とされては今現在、柱で勤めていらっしゃる煉獄様、宇随様たちに申し訳がたちません」
必死にあまねに自分の思いを伝える霧香、そんな彼女の態度にどこか微笑ましく感じるあまね。