第45話 御守り
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この小説の夢小説設定鬼滅の刃のIFストーリー(もちろん二次創作)
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「これは君の分だ、刀が完成したら使ってくれないだろうか?」
包みには杏寿郎と同じく八角の形だが中央に雪模様、四隅に炎が彫られている鍔が入っていた。
「俺はいつでも君と一緒にいる、この鍔を俺と思って欲しいという気持ちも込めている。
俺のこの鍔は俺の御守りだ、そしてこの鍔は霧香、君の御守りとして受け取ってほしい」
「杏寿郎さん・・・」
「今回は鬼が関わっていないとはいえ任務であることに変わりはない、無事に戻って来てくれよ」
杏寿郎は優しく霧香を抱き締める。
「杏寿郎さんも気を付けて」
「ああ」
杏寿郎は霧香の髪に口づけを落とす。
『杏寿郎様・・・私ドモノコトヲオ忘レデショウ////』
『・・・・///』
要と牡丹が赤くなって困っている。
「む!これはすまない!愛しい女子が傍にいるとどうも我慢ができない!よもやよもやだ!」
「・・・・////」
「要、俺は明日出発する。お館様にそう伝えてくれ」
『承知致シマシタ!』
「私は明日、蝶屋敷に寄ってから出発するよ。里長には『できるだけ急ぎますのでしばらくお待ちください』って伝えておいて」
『ワカリマシタ!』
二羽を向かわせた後、霧香はあることを思い出す。
「あ・・・」
「どうした?」
「私たちが不在の間、愼寿郎様はどうしましょう?」
「む!そういえば父上のことを忘れていたな、今は千寿郎がいない、安岐殿と二人きりにさせるわけにはいかないな」
「そんなことしたら愼寿郎様が父に半殺しにされます・・・」
瀬津寿は愛妻家である、たとえ旧知の仲とはいえ妻を別の異性と一つ同じ屋根の下に置くなんてことはしない。
「あ!そうだ!」
「ん?」
「私たちが不在の間だけ愼寿郎様にウチ(海野家)に来てもらうというのはいかがです?
愼寿郎様も千寿郎くんの様子を気にしているでしょうし、一度どんな訓練をしているか見てもらもらってはどうですか?」
「うむ、いい提案だな!俺からも父上に話してみよう!」
―――――――――――――――
翌日、霧香と杏寿郎、安岐に薦められて世話になることに決めた愼寿郎。
任務に向かう前の霧香と杏寿郎、安岐と一緒に煉獄家を後にし、海野家へとやってきた。
「瀬津寿、すまないな・・・俺まで」
「気にするな、安岐とお前を二人きりにするよりはずっといい」
瀬津寿の目が一瞬冷たくなった。
「俺は妻一筋だぞ」
「それでも俺の愛妻をお前と一緒にいさせるのは御免だ」
わかっていてもそれはそれ、これはこれである。愼寿郎が瑠火一筋なのと同じように瀬津寿も安岐一筋である。
「父上、愼寿郎様をイジるのはそのあたりで止めてください」
晴哉がやってくる。
「愼寿郎殿、ようこそ我が家へ。お部屋は用意してあります」
「すまんな、千寿郎はうまくやっているか?」
「ええ、弟と毎日頑張っていますよ。今も特訓中です、身体能力が随分と上がりましたよ」
「そうか」
「よかったら荷物を置いた後にご覧になってください」
「あ、ああ・・・」
「父上」
「ん?」
「俺たちはそろそろ行きます」
「そうか・・・杏寿郎、しっかりな」
「はい、行ってまいります」
「霧香も気を付けてな」
「ありがとうございます、行ってまいります」
二人の背中を愼寿郎と海野家の人々は小さくなるまで見送っていた。
続く