第43話 夢の背中
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この小説の夢小説設定鬼滅の刃のIFストーリー(もちろん二次創作)
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「霧香さん!」
「きよちゃん、炭治郎の病室は?」
「こ、この廊下を真っ直ぐ行った右奥ですけど・・・」
「あっ・・・」
「待て!落ち着け、霧香!」
霧香は廊下を小走りで進む。
〈炭治郎――・・・〉
着物で滑りそうになるのを構わずに駆けていく。
〈炭治郎っ――・・・!炭治郎!〉
「炭治郎!!」
病室に到着し、開いていたドアから勢いよく中に入る。
「霧香さん・・・」
そこには同期の栗花落カナヲと隠しの後藤が立っており、寝台には意識が戻っている炭治郎がいた。
「お久しぶりです・・・なんか、俺・・・二カ月も意識が戻らなかったみた・・・」
炭治郎は言い終わらないうちに温かいものに包まれていた。
「よかった・・・炭治郎っ、良かったあぁ・・・!」
寝台に駆け寄って泣き崩れた霧香、炭治郎が戸惑っているとノックが聞こえた。
「入ってもいいだろうか?」
「煉獄さん・・・どうぞ」
杏寿郎がなほときよと遅れてやってきたすみを連れて立っていた。
「「「炭治郎さ――んッ!!」」」
三人娘も大泣き状態だ。
「良かったです~~!」
「あんぱんあげます~~!」
「カステラ落ちてる~~~!」
「ハハハハハ!賑やかだな!」
杏寿郎は霧香の後ろまで歩いてくる。
「久しぶりだな、竈門少年。意識が戻って何よりだ」
「はい・・・、ありがとうございます。煉獄さん」
「うむ」
そして炭治郎の手を握って泣き続けている霧香の肩を優しく叩く。
「霧香、大丈夫か?」
「す、すいません・・・なほちゃんが真っ青な顔で来たから、炭治郎の容態が急変したのかと思って・・・」
「さっきも言っただろう、君の手当てが早かったから命に別状はなかったと」
苦笑気味な杏寿郎。
「すまんな、霧香にはちゃんと容態は伝えていたんだが・・・」
「いいえ、霧香さんが目が覚めなかった時、俺も気が気ではありませんでしたから・・・」
炭治郎はまだ泣いている姉弟子を優しく見る。
〈霧香さん、心配をかけて・・・すみません〉
まだ力が入らない状態ではあったが姉弟子が握ってくれている手をほんの少しだけ握り返した。
ドドドドドドドドッ!!バーン!!
すると今度は何やら大きな布に包まれた何かが入ってきた。
「「「!」」」
「キャーッ!!お化け―――っ!!」
すみが悲鳴を上げるが・・・。
「ぶはっ!」
お化けかと思ったのは洗濯物が絡まったアオイだった。
「意識が戻って良かった~~~~っ!!
あたしの代わりに行ってくれたから、みんな・・・ウオオオォォン!!」
いつものアオイらしからぬ声で泣いているのを隣りにいるカナヲが宥めている。
「竈門少年の周りには多く人が集まるな」
「はいっ・・・炭治郎はどこか、人を引き付ける力があるのだと思いますっ・・・」
少し落ち着いた霧香が杏寿郎を見上げた。
「この子は周囲から好かれる子です」
「そうだな」
それについては杏寿郎も全くの同意見である。
「他の、みんなは・・・大丈夫ですか?」
「黄色い頭のやつは一昨日だっけ?復帰してるぜ、もう任務にも出てるらしい、嫌がりながら」
「はい!善逸さん、翌日には目を覚ましたんですよ!」
「音柱は自分で歩いてたな、嫁さんに肩借りてだけど」
後藤も駆けつけた隠しの一人だったがあれはドン引きものだった。