第42話 上弦の鬼集結
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この小説の夢小説設定鬼滅の刃のIFストーリー(もちろん二次創作)
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猗窩座は異空間の無限城に呼び出された、理由は決まっている。
十二鬼月の誰かが鬼狩りに殺された時だ。
しかし、今までは下弦と上弦は別々に呼び出されていた。そしてこの百年、上弦の鬼は顔ぶれが変わることがなかったため無惨から呼び出されることはなかった。
下弦の鬼は無惨自ら解体したと聞く。
「・・・・・」
弱者に興味がない猗窩座にとってそんなことはどうでもいいことだったが、自分がここに呼ばれたということは、すなわち『自分以外の上弦の鬼が鬼狩りに殺された』ということだ。
「ヒョッ!」
「・・・・」
笑い声に視線を移すと空間を挟んだ向こうの床に壺が一つ置いてあった。
「これはこれは、猗窩座様!いやはや、お元気そうで何より・・・」
壺がカタカタと動いたかと思うと『ズヌヌヌ・・・・』と体をうねらせて鬼が出てきた。
上弦の伍・玉壺(ぎょっこ)である。
「九十年振りでございましょうかな?
私はもしや貴方がやられたのではと心が躍った・・・ゴホゴホン!
いえ、心配で胸が苦しゅうございました、ヒョヒョッ」
自分の本音を吐露しながらも言い直す玉壺。
「・・・・・」
「恐ろしい、恐ろしい・・・」
そこへもう一人、鬼が来た―――・・・上弦の肆の半天狗である。
「しばらく会わぬうちに玉壺は数も数えられなくなっておる、我らが呼ばれたのは百十三年振りじゃ!
割り切れぬ数字・・・不吉な『丁』!奇数じゃ!!恐ろしい、恐ろしい・・・」
猗窩座はそんな二人を無視して自分たちをここに呼び出した主を捜すが見当たらない。
「おい、琵琶女・・・無惨様はいらっしゃらないのか?」
自分たちを空間的に呼び出した琵琶を持った女鬼に問いかけるが、彼女の答えは『否』だった。
「ならば上弦の壱はどこだ?まさかやられたわけじゃないだろうな?」
「おっと!おっと!ちょっと待っておくれよ、猗窩座殿!俺の心配はしてくれないのかい?
俺はみんなのことをすごく心配していたんだぜ?」
「・・・・」
馴れ馴れしく猗窩座の肩に腕を回してきた男鬼。
「大切な仲間だからな、だぁれも欠けて欲しくないんだ、俺は」
上弦の弐・童磨(どうま)だ。
「やァやァ、久しいな!玉壺!
それは新しい壺かい?綺麗だねぇ、この間お前がくれた壺は女の生首を生けて飾ってるよ!俺の部屋にね~!」
「あれは『首を生けるもの』ではないのだが・・・だが、それもまたいい」
「そうだ!今度ウチに遊びにおいでよ!」
「どかせ・・・」
玉壺と会話に夢中になっている童磨だったが低い声に遮られた。
「この腕をどかせ」
言い切ると童磨がどかす暇も与えずに顔を殴った猗窩座。
童磨の顔から血飛沫が上がる、完全に顎が砕かれ垂れ下がっている。しかし『ただの外傷』は鬼にとってはどうということはないのだ。
「うーん!良い拳だ!前よりも少し強くなったかな?猗窩座殿」
その証拠に童磨は気にした風もなく明るく話しかけてくる、猗窩座が殴ってつけた負傷はもうない。
「・・・・・」
猗窩座はこの童磨が好きになれない、強者でもなさそうなこの男が気に入らない、性格も癪に障る。
「上弦の壱様は最初にお呼びしました、ずっとそこにいらっしゃいますよ」
「!」
その言葉に視線を下に落とすと少し離れた御簾の中に彼はいた。
「私はここにいる・・・、お前たちは行動を慎め。無惨様が御見えだ」
『!!』
上弦の壱・黒死牟(こくしぼう)の言葉にようやく無惨のことに気付いた四人。
「妓夫太郎と堕姫が死んだ、上弦の月が欠けた」
「誠でございますか!?それは申し訳ありませぬ!あの二人は俺が紹介した者故・・・」
全く申し訳なさを感じられない態度で謝る童磨。
「どのようにお詫びいたしましょう?目玉をほじくり出しましょうか?それとも・・・」
「いや、必要ない・・・・貴様の目玉など欲しくもない。
妓夫太郎は負けると思っていた、案の定、堕姫が足手纏いだった。
初めから妓夫太郎が戦っていれば勝っていた、そもそも毒を喰らわせた後まで戦い続けず・・・いや、もういい。
くだらぬ人間の部分を多く残していた者からまけていくのだ」
無惨は手元の何かの薬品実験を休めることなく話を続ける。