第4話 華陽隊
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この小説の夢小説設定鬼滅の刃のIFストーリー(もちろん二次創作)
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〈琴乃のお祖父さん・・・お父さんは当主を継いでいないのかな?〉
そんなことを考えている霧香だが、反応したことを察したのか琴乃が耳打ちしてくる。
「お祖父ちゃんの子供の話は、またいずれ・・・ね」
「・・・・」
琴乃の顔が少し曇ったのでそれ以上は聞けなかった。
「琴乃、早くおいで――、置いていかれるよ」
にこやかに手招きをする晴哉。
「うん、今行くよ!」
―――――――――――――――
産屋敷家・応接間
「おおっ、一番乗りは焔家か!」
「ご無沙汰している、鉄斎殿」
産屋敷家には既に焔家当主とアカリが着いていた。
鉄斎や晴哉が入ると霧香と琴乃も続く。
「その娘か、水の呼吸を会得できなかった『波流門の落ちこぼれ』というのは・・・」
「!」
『落ちこぼれ』という言葉に体が揺らぐ。
「『落ちこぼれ』とは心外ですね」
晴哉が背中に手を当ててくる。
「私の妹は『優秀』ですよ」
「・・・・・」
「雪は『水』の始まりですから」
「つっ」
炎羅門焔家の当主・火津地(かづち)は、ハッとする。
水は生命を育む
鋼は生命に尽くす
炎は生命を守る
土は生命を宿す
木は生命を癒す
五大呪術家の初代当主たちは鎌倉時代に一門を創立した際、上記の役割を各々の家に課した。
鎌倉時代から大正の現在に至るまで各々の一族は家に伝えられている『生命』にとって己が何をすべきかを忠実に守り通してきた。
反した者は容赦なく斬り捨てられた、子供であろうと当主であろうと姓を剥奪され、一族を追放される。
「五大要素を元に別の呼吸を生み出した事が五大呪術家の『恥』と言うならば、わしの孫もそれに値するな。
わしの孫は『岩の呼吸』から『鋼の呼吸』を生み出した。
主の末娘も同じことではないのか?『雷の呼吸』から『光の呼吸』を生み出したと聞いているぞ?
これも『落ちこぼれ』というか?火津地よ」
「・・・そうだな、『雪は水を生む』・・『鉱石によって鋼は作られる』、失言であった、許してくれ」
霧香と琴乃へ頭を下げる火津地。
〈お、お父様!?〉
アカリは驚いている、父は礼節を重んじる人柄だが、いくら五大呪術家で最年長の鉄斎の言葉でもここまで腰を低く頭を下げるとは・・・。
「霧香の事を侮辱するということは、我が子を侮辱するも同じこと・・・今後は口を慎むとしよう」
「そこまで負い目を感じることはない、わしも主にわかってもらえるのであれば・・・それで良い」
「産屋敷輝哉様がいらっしゃいました」
産屋敷家当主が来た。
「鉄斎殿、火津地殿、晴哉殿、よくいらしてくれた」
襖を開けて、男が入ってきた。
両隣には最終選別で霧香たちが見た双子がいる。
〈あれ?黒い子じゃない〉
暢気にそんなことを考えている霧香。
「いやいや、我が一門の子らを鬼殺隊に託すのだ。挨拶は当然のことよ」
産屋敷家当主の輝哉が穏やかな笑みのまま座った。
「彼女たちがこの度、最終選別で生き残った・・・私の可愛い剣士(子供)になる者達だね」
「炎羅門焔家・アカリでございます」
「権現門黒鉄家・琴乃でございます」
「波流門海野家・霧香でございます」
「アカリ・・・琴乃・・・霧香・・・みんな綺麗な名前だね」
一人ひとり顔を見て微笑みかける輝哉。
「これからよろしく頼むよ、私の可愛い子供たち」
その言葉を聞いた時、霧香は心が温かくなった。
まるで父親に言われているようで心地の良い声だ。