間章 ある日の愼寿郎さんと杏寿郎くん
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この小説の夢小説設定鬼滅の刃のIFストーリー(もちろん二次創作)
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「よかろう・・・お前のことだ、遊び半分で決めたことではないだろう」
「!」
「晴哉殿、那津蒔殿」
愼寿郎は手を付いて頭を下げた。
「若輩者の息子だが・・・よろしく頼む」
「こちらこそ、千寿郎くんは責任を持って預からせていただく。煉獄家にはご不便をおかけすることになるがよろしくお願い申し上げる」
晴哉と那津蒔も同じく頭を下げる。
こうして千寿郎は訓練のために海野家に行くことが決定したのである。
―――――――――――――――
「千寿郎はどうしているだろうか?」
弟がいなくて寂しいのだろう、杏寿郎が呟いた。
「毎日頑張っているそうですよ、ももちゃんが手紙で千寿郎くんの様子を教えてくれますから」
千寿郎がいない間は霧香と安岐が煉獄家に泊まり込みで行くことになったので急遽、ももに海野家に給仕に入ってもらったのだ。
今日はお互い非番であるため朝餉の後は許嫁同士ゆったりと過ごしている(ちなみに安岐は買い出し、愼寿郎は部屋で読書中)
「そういえば・・・」
「?」
「潜入以外で君の着物姿は見たことがなかったな」
先日の遊廓での潜入任務の際に杏寿郎は初めて霧香が着物を着ているのを見た。
あの時は『遊女』だったので派手な化粧をしていたが今の彼女は普通の娘の姿をしている。
「うん、やはり君はそちらの方が良く似合う」
「杏寿郎さん・・・」
「しかし・・・」
杏寿郎の手が霧香の右頬に触れる。
「何故、君は任務が終わるといつも顔に傷をつけて帰ってくるのか・・・」
張り薬の上から優しく撫でる。
「女子なのだからもっと大事にしなければ」
「でも、これは勲章みたいなもので・・・」
「俺も同じようなものだから強くは言えないし、戦闘で傷がついてしまうのは仕方がないと思うが・・・君の顔の傷を見ると悲しいし、心が痛む」
杏寿郎の言葉は責めているのではなく単純に心配している声音だ。
「ごめんなさい・・・でも私の傷はあなたの左目のようなに『誰かを守ってできた』勲章みたいなものなの。
杏寿郎さんには心配させてしまうし、申し訳ないと思うけれど・・・幸い今回も浅い傷で時間が経てば治るから、ね?」
杏寿郎の手を握り締めて微笑みかける霧香。
「それから杏寿郎さん」
「ん?」
「今回は任務でもないのに助けてくれてありがとうございました」
「ん?何の事だ?」
「遊廓に潜入していた時や戦闘時の廓の人たちの避難とか・・・本当にいろいろ助けてもらいました、とても心強かったです」
「ハハハハハッ!そのことか!
気にすることはない、俺は当然のことをしたまでだ。人間を守ることは俺の役目でもあるし、何より俺の好きな人が手の届くところで危険な任務をこなしているんだ、だからできる範囲で協力したかった」
「・・・・ありがとう、杏寿郎さん」
嬉しくて自分から抱きついてしまった霧香。
〈本当に・・・出会ってからずっと助けてもらってばかりだな~〉
杏寿郎も久々に甘えてくる霧香を抱きしめ返してくれる。
「だんだん慣れてくれたようだな」
「え?」
「俺を名前で呼んでくれている」
「はい、少しずつですけど・・・だんだん慣れてきました////」
照れている顔が可愛らしいと思う杏寿郎。
まだ周知はしていないのだが、でも杏寿郎も霧香も分かりやすいので察しやすいとは思う(二人とも顔に出やすい)
「でも・・・」
「?」
「今は『煉獄さん』よりも『杏寿郎さん』の方がしっくりくるんです・・・任務の時にうっかり出ない様に気を付けないと////」
「~~~~っ!////」
口元を隠して苦笑する霧香に必死に理性を我慢している杏寿郎。
〈我慢だっ!我慢だ、杏寿郎っ!!まだ婚前だ!〉
「ん??どうしたの?杏寿郎さん」
「いや、大丈夫だ、大丈夫っ・・・////」
真っ赤な顔を隠すためにさらに霧香を抱きしめる杏寿郎だった。