間章 ある日の千寿郎くん
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この小説の夢小説設定鬼滅の刃のIFストーリー(もちろん二次創作)
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そして場面は冒頭に戻る。
「つっ!」
「集中を維持しろ千寿郎、罠に落ちるってことは死ぬってことだ」
「す、すいませ・・・」
千寿郎は痛い箇所を抑えながら起き上がる。
「お前、今日一日で百は死んだぞ。
これが鬼の術ならお前は四肢も何もない肉片になってるところだ」
「・・・・・」
「鬼なら百なんて数は負傷の欠片にもならないだろうさ、頸を落とされない限りはな。
手を落とされようが、足を斬られようが、心の臓を貫かれようが、臓物を引き抜かれようが・・・急所が落ちない限りは何度でも再生する。
鬼狩りは『生身の人間』だ、鬼とはどうしてもハンデがある。だから身体能力を上げる必要があるんだ、自分を守るため、仲間を守るため、人間を守るためにな」
「・・・・」
「そしてそんなとこでボサッとしてると・・・」
「うわあああァァ!!」
ガシャンッ!
罠が二段式だったようで危うくもう一層下に落ち付所だったのを飛び上がって避けた千寿郎。
「ふん、反射速度はいいな」
「~~~~っ・・・」
穴の底には剣山のように針がびっしり敷かれていた、あんなのに体を指されたら外国にある乳製品の食材のようになってしまう。
汗だくで眺めている千寿郎に那津蒔は屈みこむ。
「止めるか?」
千寿郎にとって杏寿郎と鍛錬していた時よりもだいぶ違うやり方でしかも実践に近いものが多い。
感覚的には聡い千寿郎も実践に活かすと言ってもなかなかなれないこともあるだろう。
もしかしたら既に闘志が喪失しているかもしれない。
それならそれで仕方がないと思う那津蒔だが―――・・・
「いいえ」
「?」
「続けますっ・・・僕はまだ諦めたくない!」
俺は煉獄家の男児だ、元炎柱の息子であり、現炎柱の弟―――・・・でも煉獄千寿郎という一人の人間だ。
本当は剣士になることを諦めたくない、理由は強き者になり弱き人々を守りたいから。
これは兄の気持ちを模写したわけではない。
純粋に自分がそう感じたからだ。
「那津蒔さん!続けさせてください!絶対に山を降りきってみせます!」
いつもはハの字になって大人しい印象の眉毛をキリッと上げて千寿郎は顔を上げた。
「よし、じゃあ続けよう」
「はいッ!」
僕の海野家での特訓はしばらく続きます、一度は諦めかけた剣士の道――・・・でも、変われる可能性があるのなら、僕は試したいと思う。
自分の力で成長し、炎の呼吸を体得して、そして――・・・いつか兄上と霧香さん、炭治郎さんたちと肩を並べて、同じものを一緒に守りたいから。
続く