間章 父娘
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この小説の夢小説設定鬼滅の刃のIFストーリー(もちろん二次創作)
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『誰よりも一途な男』
瀬津寿が言った言葉が強く霧香の心に残った。
「牡丹、この手紙を煉獄さんのところに届けてほしいの」
『了解!』
牡丹は手紙を足につけて飛び立った。
―――――――――――――――
「ん?」
霧香が手紙を出してからしばらく後、煉獄家にいた杏寿郎はその手紙を受け取っていた。
「霧香からか・・・珍しいな、何だろうか」
『拝啓 煉獄杏寿郎様――・・・
父から婚姻の申し入れのお話は聞きました。お返事は後に父から正式に煉獄家ご当主やあなた様宛てに送られると思いますので、敢えて私からお返事は致しません』
「そうか、聞いたのか」
杏寿郎は心構えはしていたつもりだが、しかし答えがどうなったかは心底不安だ。
情熱を燃やして愛した女性だから・・・・。
『今回、手紙をしたためたのは一度あなたのお屋敷である煉獄家に伺いたいと思ったからです。
あなたは私を知るために忙しい合間を縫って海野家に通ってくれました。
今度は私があなたを知るために煉獄家に伺いたいと思います、千寿郎くんの話してくれたあなたの生活している煉獄家に・・・あなたや千寿郎くん、そしてお父様であるご当主ともお会いしたいです。
御迷惑でなければ都合のいい日を教えていただけると幸いです、お返事をお待ちしております。
海野霧香――・・・』
「霧香・・・」
杏寿郎にとって彼女が自分の家族に興味を持ち、屋敷に来たいと言ってくれたことが嬉しかった。
『クルルポー!』
「!」
そこへ海野家の伝書鳩が飛んできた。
『ポッポー!海野家カラノ手紙デス!』
伝書鳩は小さい文箱から手紙を嘴で器用に取り出す。
「ありがとう」
封を切って中を読むとそれは瀬津寿からだった。
『拝啓 煉獄杏寿郎殿
婚姻の申し出の話を本日娘にしたよ、霧香も最初は驚いていたようだが落ち着いて聞いてくれ、返事を聞かせてくれた。
今回は娘の意見も踏まえて最終的な返事をお送りしたいと思う』
ゴクリとの喉が鳴った。
『海野家は快く煉獄家に末娘の霧香を嫁がせる、不束者ではあるが大切にしてやってほしい』
「!」
『婚姻の許可』の文面を読み終えた杏寿郎の体の中に熱い想いが駆け巡る。
「わっしょい!!」
腹の底から声が出た。
「わっしょい!わっしょい!」
霧香が自分の妻になってくれる!晴れて婚約者になったのだ!
「どうされましたか!?兄上!!」
杏寿郎の声を聞いてびっくりした千寿郎が部屋まで駆け込んできた。
「千寿郎か!今、とても嬉しいことがあったんだ!」
「嬉しいことですか?何ですか?」
「うむ!霧香が我が煉獄家に嫁に来てくれるのだ!」
「え!?本当ですか!?」
「ああ!!手紙にも書いてある!」
瀬津寿からの手紙を千寿郎に見せる。
「本当ですっ・・・霧香さんが兄上の妻になってくれるんですね!!」
「うむ!」
『やった!やった!』とはしゃいでいる煉獄兄弟。