第41話 戦いの果てに
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この小説の夢小説設定鬼滅の刃のIFストーリー(もちろん二次創作)
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「あ!禰豆子、先に向こうへ行ってくれ!」
炭治郎は血だまりを見つけた、そして珠世に渡された採血器で血を採る。
「ニャーゴ」
以前、響凱の血も霧香から渡された時にこれを使って採取していた。
そしてこの猫は珠世の付き人である愈史郎の血鬼術を施された猫だ、鳴くまで姿が見えず、鳴いた後には姿を消すという。
「珠世さんの所へ、頼んだぞ」
猫に血を託した後、炭治郎は上弦の鬼を捜した。
「!?」
すると鬼の匂いが濃くなってきたので禰豆子にそちらに向かうように促した。
「何で助けてくれなかったの!?」
「俺は柱を相手にしてたんだぞ!」
「だから何よ!
そもそも何でトドメ刺しておかなかったのよ!頭カチ割っておけばよかったのに!!」
「行こうとしてた!あの海野家の小娘を先に始末しようと思ってたんだよ!あの方もそう望んでただろうが!!
それにお前は何もしてなかったんだから柱にトドメくらい刺しておけよ!
そうすれば海野家の小娘も始末することが出来たし、後々あんなメンドクサイことにはならなかったんだよ!!」
「じゃあそういうふうにアタシを操作すればよかったじゃない!!それなのに何もしなかった、だから油断した!!」
頸だけの状態で言い争っている妓夫太郎と堕姫、しかし胴体と切り離されたのでどんどん形が崩れていく。
「うるせぇんだよ!!仮にも『上弦』を名乗るんならなぁ!!手負いの下っ端の三匹くらい一人で倒せよ、この馬鹿!!」
「!」
妓夫太郎の言葉に堕姫はボロボロと涙を流した。
「・・・・・アンタみたいな醜い奴がアタシの兄妹なわけないわ!!」
「!」
今度は妓夫太郎の表情が変わる。
「アンタなんかとは、きっと血も繋がってないわよ!!だって全然似てないんだもの!!
この役立たず!!強いことしか良いところなんて無いのに、何も無いのにッ!!
負けたらもう何の価値もないわ!出来損ないの醜い奴よ!」
「ふざけんじゃねぇぞ!!お前一人だったらとっくに死んでる!!どれだけ俺に助けられた!!
出来損ないはお前だろうが!弱くて何の取柄もない、お前みたいな奴を今まで庇ってきたことが心底悔やまれるぜ!!」
妓夫太郎の脳裏に霧香の言葉が蘇る。
『お前が妹の体内にいた時から妹は何度首を斬られた?取られそうになった?
炭治郎に、宇随様に、私に、アカリに、伊之助くんに・・・ねえ?何度首を刃に取られそうになった?』
『炭治郎はお前の妹よりも余程立派だ、誰のせいにもしない・・・誤りがあった時は自分で悔いる、禰豆子に『ぶらさがっている』のではない、自分の命を信頼して預けているんだ、お互いにな』
『お前たちは人間だったころからそうなのか?いいや、人間だった頃はもっと「綺麗」だったはずだ・・・』
「お前さえ・・お前さえいなけりゃあ、俺の人生はもっと違ってた」
「・・・・・」
違う、違う――・・・
「お前さえいなけりゃなあ!!」
違う、それ以上言うな――・・・
「何で俺がお前の尻ぬぐいばっかりしなきゃならねえんだ!!
お前なんか、生まれてこなけりゃ良かっ・・・」
「嘘だよ」
「!?」
妓夫太郎の口を炭治郎が塞ぐ。
「本当はそんなこと思ってないだろ?全部嘘だよ・・・仲良くしよう、この世で、たった二人の兄妹なんだから」
「「・・・・」」
「君たちのしたことは誰も許してくれない、殺してきたたくさんの人に恨まれ、憎まれて、罵倒される・・・味方をしてくれる人なんていない、だからせめて二人だけは、お互いを罵りあったら駄目だ」
「っ・・・うるさいんだよォ!!」
また涙を流して顔半分が崩れている堕姫が喰いかかってくる。
「アタシたちに説教するんじゃないわよ!糞ガキが向こう行けぇ!どっか行けぇ!!」
『うううぅぅ・・・』と泣きながらどんどん形が失われていく堕姫。