第39話 怒りの瞳色
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この小説の夢小説設定鬼滅の刃のIFストーリー(もちろん二次創作)
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「おらぁっ!!」
ドギャッ!!
堕姫を蹴り飛ばして二人を引き剥がす。
「俺の妹を蹴るんじゃねぇよなあ!」
「この糞野郎!!」
「!」
前後から両者に狙われる天元だが――・・・
「黙れ、醜女!」
「!」
霧香が天元の背中を守るように飛び出す。
「いいじゃねぇか!!派手な援護だ!!」
天元は懐から幾つもの玉を取り出し、妓夫太郎と堕姫に投げつける。
「何よ、こんなもの!」
堕姫がその玉を帯で切ると大きな爆音がする。
〈これは・・・〉
霧香の鼻に匂いがかすめる。
〈火薬?〉
そう、天元の使用する火薬は鬼の体を傷つけるものだ。斬撃の僅かな摩擦で爆ぜる、自分のものでも敵のものでも・・・気づかずに切ってしまっては音や薬にやられてしまう。
「雪の呼吸・陸の型―――・・・『なだれ』!」
「!?」
音で耳を塞いでいる堕姫の頸を上から斬り落とす霧香。
〈アイツは・・・〉
呆れている妓夫太郎の顔の横スレスレに刃が飛んでくる。
「なっ・・・!」
天元の日輪刀だ、しかし距離を取っているはずなのに何故・・・。
それはすぐにわかった、天元は日輪刀の刃先を摘まんでいた。
なんて握力だ、大きく厚みのある二刀は重いだろうに刃先を摘まんで操っている。
少々の負傷はしたもののすぐに完治する。
「チッ・・・こっちは仕留め損なったか」
天元と霧香は背中合わせに鬼を見る。
「うううううっ!!この、このっ・・・!!また斬られた!今度はあの女に斬られた!何で!?何でよぉ!!」
そこで霧香も異変に気付いたようだ。
「どうしてアタシばっかり斬られるのよ!」
「宇随様、この二人・・・」
「フフフ・・・」
その笑いを『是』だと思った霧香。
「お前ら・・・気づいたのかぁ?」
「何にだ?」
とぼける天元。
「まあ・・・・気づいたところで意味ねぇけどなぁ、お前は段々と死んでいくんだろうしなぁあ。
こうしている今も俺たちはじわじわと勝っているんだよなああ」
「それはどうかしらね~?」
「「!?」」
破壊された壁の向こうに琴乃とアカリ、伊之助、善逸が立っていた。
「俺様を忘れてもらっちゃあ困るぜ!この嘴平伊之助様をなぁ!!」
「・・・・・」
伊之助の声は『勝つ!勝ってやる!』という気に溢れている、その声に勇気づけられる。
「あなたたちのような悪鬼は必ず倒す、私たちはそのために来たのよ」
「勝てっこないわよ!頼みの綱の柱が毒にやられてちゃあね!!」
「だから何よ?」
琴乃は到って冷静だ。
「毒が回ったからって何よ?こっちは毒でやられようが、耳が聞こえなくなろうが、血を吐こうが悪鬼を狩る!!それが私たち鬼殺隊よ!!」
「そうだ!勝つのは・・・鬼殺隊(俺たち)だ!!毒なんざ屁でもないぜ!!余裕で勝つわ、ボケ雑魚がァ!!
むしろ毒回ってるくらいの足枷があってトントンなんだよ、人間様舐めんじゃねぇ!!」
天元が言い放つ。
「こいつらはな・・・優秀な俺の継子だ!!逃げねぇ根性がある!!手足が千切れてもお前らに食らいつくぜ!!
お前、さっき『俺たちにじわじわ勝ってる』とか言ったな?だがな、俺たちの方がもう勝ってるぜ、そうだろ?」
霧香の肩に天元が手を力強く置く。
「・・・・そうですね。
お前の『二人で一つ』がようやく結びついた、お前が出てきた理由は『妹を守るため』だ。
上弦の陸は『頸が二つ』ある、お前とそこの堕姫・・・だが、堕姫だけでは鬼狩りは殺すことはできない。
お前がいなければ『実力のある鬼狩り』は殺せない」
「グワハハハハッ!!なるほどな、簡単だぜ!俺たちが勝ったも同然だな!!」
「どうだろうなぁあ・・・」
伊之助の言葉を『ヒヒヒ・・・』と嘲る妓夫太郎。
「その簡単なことが出来ない鬼狩りは死んでいったんだぜ?
お前のいう『実力のある鬼狩り』、柱もなあ・・・俺は十五、妹が七、喰ってるからな」
おそらく喰った柱の数のことを言っているんだろう。
「そうよ!夜が明けるまでに生きていたやつはいないわ!長い夜はいつもアタシたちの味方をするんだから!」
「ごちゃごちゃ・・・うるさいのよ」
ピリッ・・・
「「!」」
琴乃の横にいたアカリの空気が変わる。