第38話 子守唄
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この小説の夢小説設定鬼滅の刃のIFストーリー(もちろん二次創作)
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「うん、辛かったね、怖かったね・・・もう大丈夫だよ、お兄ちゃんも私も、大丈夫だからね」
「わああ・・・ひっく、っく・・・ううぅ・・・」
いつの間にか禰豆子の体からは蔦の入れ墨のような痣も角も消えていた。
泣いたことで気持ちが落ち着いたのだろう。
だんだん体も小さくなっていく。
「いい子ね、いい子いい子・・・」
小さくなった禰豆子を抱えてあやす霧香。
「寝た・・・よかったぁ・・・」
炭治郎も安心して脱力した。
「ったく、ようやく終わったか」
それを炭治郎が破った障子の向こう側から見ていた天元。
「しかし・・・獣肉とはな~。あの海野家の娘、準備がいいこった」
「ちょっと!待ちなさいよ!」
「?」
「よくもアタシの頸を斬ったわね!ただじゃおかないから!」
「まぁだギャアギャア言ってんのか?もうお前に用はねぇよ、地味に死にな」
「ふざけんじゃないわよ!それにアンタ、さっきアタシの事を『上弦じゃない』とか言ったわね!?」
首を斬られたことに加え、称号まで侮辱されたことに堕姫は怒り心頭だ。
「だってお前、上弦じゃねぇじゃん」
「アタシは上弦の陸よ!!」
「だったら何で頸斬られてんだよ、弱すぎだろ?脳味噌爆発してんのか?」
「アタシはまだ負けてないからね!上弦なんだから!」
「負けてるだろう、一目瞭然に」
「アタシは本当に強いのよ!今はまだ『陸』だけどこれからもっと強くなって・・・」
「説得力ね――」
堕姫の言葉をバッサバッサと切り捨てていく天元、身も心もズタボロである。
「~~~~っ!!わ~~~ん!!」
しかも泣き出した。
「ほんとにアタシは『上弦の陸』だもんっ!!本当だもんっ!!数字だってもらったんだから、アタシ凄いんだから!!」
泣き喚く堕姫を余所に天元は怪訝な顔をしている、それはそうだ。
日輪刀で頸を斬られた鬼は滅するはずだ、だがこの堕姫はいつまで経っても消滅する気配がない。
「死ねっ!!死ねっ!!みんな死ねっ!!わぁあああ!!ああああ!!!」
頸と胴体がバラバラになっているのに手は畳を叩き、頸は泣き喚いている。
「頸斬られたぁ!頸斬られちゃったああ!!お兄ちゃあああん!!」
〈『お兄ちゃん』・・・まさかっ!〉
天元は堕姫の言葉の『意味』に気付いたのと同時に刀を振っていたが、そこに堕姫の姿はなかった。
「泣いたってしょうがねぇからなああ・・・」
「!」
振り返ると泣きじゃくる堕姫の頸をくっつけながら慰めている男がいる。
「頸くらい自分でくっつけろよなぁ、おめぇは本当に頭が足りねぇなあ」
髪がボサボサで体も細く骨が浮き出ている男鬼。
〈もう一人出てきやがった・・・何だ!?反射速度が比じゃねぇ〉
「顔は火傷か?これなぁぁ・・・大事にしろ、顔はなあ」
男鬼は優しく堕姫の火傷を撫でる。
「せっかく可愛い顔で生まれてきたんだからなあ」
「・・・・・」
天元が再び斬りかかる。
ビチッ!
「つっ・・・」
「へえ・・やるなぁあ、攻撃止めたなぁあ・・・。
殺す気で斬ったんだけどなあ、いいなあお前・・・いいなあ」
天元の髪飾りが斬られた、肌に血が滴る。
どうやら頭部も浅くではあるものの斬られたようだ。
「いいなあ・・・お前、その顔・・・その顔、いいなぁあ。
肌もいいなぁ、シミも痣もキズもねぇんだなあ・・・肉付きもいいなぁあ」
男鬼はポリポリ頬を搔きながら、じーっと天元を見ている。
「俺は太れねぇんだよなぁ・・・上背もあるなぁあ、縦寸が六尺は優に超えてるなぁあ・・・。
女にも嘸かし持て囃されるんだろうなぁあ・・・」
顔を掻く力が強くなり肉を抉り始める。
「妬ましいなああ、妬ましいなああ・・死んでくれねぇかなぁあ、そりゃあもう苦しい死に方でなぁあ・・・生きたまま生皮剥がれたり、腹を搔っ捌かれたり、それからなぁ・・・」
「お兄ちゃん!こいつだけじゃないのよ、まだいるの!!アタシを灼いた奴らも殺してよ!!絶対!!」
どうやって天元を殺そうかと考えている男鬼に堕姫が叫ぶ。