第38話 子守唄
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この小説の夢小説設定鬼滅の刃のIFストーリー(もちろん二次創作)
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突如視界が変わり、自分が見ているのは天井。
『何故・・・・』と堕姫は思った、しかし理由は簡単だ、頸が斬られたからだ。
頸を斬られ転がり落ちたから視界に天井が見える。
「おい、坊主」
「!」
「戦いはまだ終わってねぇぞ、妹をどうにかしろ」
呆気に取られていた炭治郎だが、すぐに禰豆子の方を抑えにかかる。
「ぐずり出すような馬鹿なガキは戦いの場にはいらねぇ、地味に子守唄でも歌ってやれや」
「ガアアァッ!!」
「つっ!」
また禰豆子が後ろに飛び退いたので炭治郎は背中から障子を破り、外に飛ばされ、地面に激突した。
「がはっ!!」
そして打ち付けた拍子に力が緩み禰豆子を放してしまった。
「グルルルッ・・・」
禰豆子は炭治郎から素早く離れて距離を取る。
「禰豆子っ・・・」
「ううぅぅ・・・っ!!」
禰豆子の目は完全に獲物を狙うものになっている。
「禰豆子、俺だっ・・兄ちゃんだ・・」
「ぐううぅ・・・」
炭治郎の血の匂いに反応している、声は届いていない。
炭治郎も今の衝撃で体が動かせない。
「ガアアアァァァッ!!」
〈禰豆子ッ・・・!〉
『襲われる、終わりか』と思った炭治郎だったが、何も起こらなかった。
「!」
「ぐっ・・・ううぅぅ・・・」
「っ・・・!」
霧香が禰豆子を抑えている、しかも霧香の手には肉が握られていて、禰豆子の口に押し込んでいる。
霧香はそのまま禰豆子の足を払って押し倒し、地面に押し付ける。
「むう"っ!!むう"う”っ!!」
禰豆子は暴れて霧香の髪を引っ張り、腕や背中を引っ掻く。
しかし霧香は放さない。
「禰豆子・・・」
「つっ・・つっ・・」
「眠ろう、もう眠るんだよ」
こんこん小山の子うさぎは、なぜにお耳が長うござる――・・・
小さい時に母様が長い木の葉を食べたゆえ――・・・
それでお耳が長うござる―――・・・
「!」
霧香が教えた子守唄を唄ってくれる。
「げほっ・・・」
炭治郎は咳込みながら息を吸った。
「こんこん小山の、子うさぎは・・・っ、なぁぜにお目目が赤うござる・・・。
小さい時に母さまがっ、赤い木の実を食べたゆえ・・・そーれでお目目が、赤うござるっ・・」
絞り出す声で唄う炭治郎。
「ぐうっ・・・ガアア・・・」
「「こんこん小山の子うさぎはなぜにお耳が長うござる――・・・
小さい時に母様が長い木の葉を食べたゆえ、それでお耳が長うござる」」
「っ・・・」
禰豆子がだんだん大人しくなっていく。
こんこん小山の子うさぎは、なぁぜにお目々が赤うござる
小さい時に母さまが赤い木の実を食べたゆえ
そーれでお目目が赤うござる
母が小さい頃よく唄ってくれた子守唄。
『兄ちゃんのお目々が赤いのは、お腹の中にいた時にお母さんが赤い木のみを食べたから?』
幼い禰豆子は母に聞いた時、母の葵枝はニッコリと笑っていた。
『禰豆子・・・』
母の顔がぼやけると霧香の顔になる。
「禰豆子・・・もう大丈夫だから、ねんねしようね」
口から肉を外した霧香は禰豆子を抱き起して頭を優しく撫でた、優しく安心させるように、寝かしつけるように・・・。
「・・・・っ、わ―――んっ!!」
禰豆子が大粒の涙を浮かべたかと思うと大声で泣き始めた。