第37話 それぞれの在り方
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この小説の夢小説設定鬼滅の刃のIFストーリー(もちろん二次創作)
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ドゴッ!
「げうっ・・・!」
ところが切り落とした足がすぐに再生して自分を背中から蹴り倒した。
〈な、何で斬り落とした足が・・・アタシの背中を貫通してるのよ!?
再生速度が桁違いじゃない、こんな人を喰っていない小娘がっ・・・どうして!?そんな!!私の再生力を上回っているじゃない!!〉
グググッ・・・
「ぐふっ・・!」
禰豆子の足に力が籠められ、堕姫の体を圧迫する。
―――――――――――――――
「炭治郎?炭治郎!」
「・・・・・」
炭治郎は目を覚ました。
「霧香さ・・」
「無理して喋らなくていい、今、薬を飲ませるから」
小さい竹筒を取り出して炭治郎に飲ませる。
「ぐっ・・・ゴホッ、ゴホッ・・・」
「ゆっくりでいいから全部飲むこと」
「ぐ・・・むぐ・・・」
霧香に背中を擦ってもらいながら薬を飲み干した炭治郎。
「よし、すぐに体の倦怠感がなくなってくる」
「ハア・・・ハア・・・俺は・・・」
「極度の疲労で動けなくなったんだよ、おそらくあなたが連発していたあの呼吸の型のせいだと思う」
「・・・・・」
炭治郎は思い出した、ヒノカミ神楽を出して戦って倒れたことを・・・。
「炭治郎、あれが煉獄さんに聞いていた『ヒノカミ神楽』なんだね?」
「・・・・」
「答えなさい、これはあなたの今後に関わることなんだよ」
「・・・・はい、あの上弦の鬼との戦いで使っていたのが『ヒノカミ神楽』、俺の生家に伝わる舞です」
「そう・・・那田蜘蛛山で上弦の伍相手に使っていた技も同じなんだね」
炭治郎は頷く。
霧香は炭治郎の両肩を掴んだ。
「炭治郎、今から私のいうことをよく聞いて」
「え?」
「ヒノカミ神楽・・・『日の呼吸』は、いざとなった時以外には使わないこと、約束しなさい」
「ど、どうしてですか・・・?あの呼吸があれば鬼に勝てるんですよ!上弦の鬼に勝てるんですよ!」
「今のあなたの状態を見てみなさい!」
食い気味に言い放つ炭治郎を諫める霧香。
「あなたには・・・まだこの呼吸を使うのは早すぎる。体が未熟過ぎる、だから連発をしてこんなにもボロボロになる」
「・・・・・」
「炭治郎、武術に近道はないの。
日の呼吸が鬼にとっての脅威、あなたにとっての勝機だとしても今の炭治郎では手に余る。
いい?今、使うなら連発はしないこと、そして今後のために備えて鍛えなさい」
霧香は使うなとは言っていない、炭治郎の体を心配しているのだ。
体が動かせなくなってしまっては炭治郎の願いである『禰豆子を人間に戻す』ことが叶わなくなる。
「自分の本質を見失わないで」
「・・・っ、はい・・・」
炭治郎は泣いている、近道がないということは分かっていたはずなのに・・・それでも焦っていた自分を悔いているようだ。
「霧香、来てくれ!あの娘が!」
下から響凱の声が響く、二人が屋根の下を覗き込むと燃えている堕姫がいる。
「ギャアアッ!!」
おそらく禰豆子の返り血を浴びた堕姫が『爆血』に焼かれているのだろう。
地べたを這いずり、転げ回っている。
グシャッ!ダンッ!ダンッ!
「・・・・・」
禰豆子が炎に巻かれ悶えている堕姫を踏みつけにする。
その姿はいつもの禰豆子ではなかった、轡は外れ、体には蔦の入れ墨があり、額には角が一本生えている。鬼化が進んでいると見える。
「禰豆子ちゃん・・・一体どうしたっていうの?あんなのいつもの禰豆子ちゃんじゃない」
「っ・・・!」
「待ちなさい!炭治郎!」
ドギャッ!!
禰豆子の蹴りによって堕姫は廓の壁を突き破った。
「ハーッ、ハーッ・・・」
禰豆子も堕姫を追いつめるために中に入る、しかしそこには遊女が残っていた。
「・・・・」
禰豆子の鼻に血の匂いがかすめる。
遊女の手首は何かに引っ掛けたのか傷を負っていて血が滴っている。