第37話 それぞれの在り方
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この小説の夢小説設定鬼滅の刃のIFストーリー(もちろん二次創作)
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まきをは昔の記憶を思い出していた。
昔はこんなではなかった。
死ぬことを『嫌』とは思わなかった、そういう教育を受けてきたから。
特にくノ一は男の忍びに比べれば力が劣ってしまう、命を懸けることは最低限の心構えだ。
しかし、この宇随天元の嫁になった時、彼はこう言ったのだ。
「自分の事だけ考えろ」
言われた時は『?』しかなかった。
彼は続けた、何においても自分の所に戻ることを優先しろと・・・・。
任務は二の次、まずは己の命を優先しろ。
天元の中の優先順位として最初は妻、次に守るべき対象、つまり堅気の人間――・・・そして最後に己(自分)だ。
なんて男だと思った、普通は妻を二の次にするだろうに・・・そもそも忍びなのだ、任務を優先するだろうに。
でも天元はさらりと言ってのける。
「任務よりも堅気の人間よりも自分よりも妻の方が大事だ、だから死ぬな」
そんなことを言われては大した仕事はできないと突っ込みたくなるだろう、いいや、普通は突っ込む。
「いいんじゃない?」
雛鶴が言った。
「天元様がそれで良いと言うなら・・・死ぬのが『嫌』だって、『生きたい』って思うのだって悪い事じゃないはずよ。
そういう自分が『嫌』じゃなければそれでいいのよ、きっと」
ぽん、ぽん――・・・
「!」
大きな手が須磨と自分の頭を撫でた。
「派手にやってたようだな、さすが俺の女房だ」
ニカッと笑う天元に思わず涙が溢れる。
「よかった・・・まきをさんも須磨さんも無事で」
「雛鶴さんは見つかったの?」
「ええ、理由は後で話すけど鬼に感づかれたので脱出したみたい。今、燕薇と一緒にいる」
「そう」
泣きながら天元に抱き着いている須磨と目を擦っているまきをを見てホッとしている琴乃。
「オイィィ!!祭りの神、テメェ!!蚯蚓帯共が穴から散って逃げたぞ!!」
「うるっせええ!!感動の再会を邪魔すんじゃねェ―――!!捕まってた奴らは助けたんだからいいだろうがッ!!
まずは俺を崇め讃えろ!!話しはそれからだ!!」
「「・・・・・」」
『やっぱり見直すのやめとこうかな』と思った琴乃とアカリ。
「天元様!早く追わないと被害が拡大しますよ!!」
「それもそうか・・・野郎ども、追うぞ!ついて来い!さっさとしろ!!」
だから何でそんなに偉そうなのよ(かしら)?←琴乃とアカリ
「おらおら!どけどけェ!!宇随様のお通りだ!!ワハハハハッ!!」
「「・・・・・」」
どこぞの傾奇者みたく走る天元の後ろを伊之助と善逸を掴む(背負った)琴乃とアカリが追いかけて行った。