第35話 神楽舞
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この小説の夢小説設定鬼滅の刃のIFストーリー(もちろん二次創作)
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「裁判の時・・・」
「?」
「霧香の使役鬼の・・・響凱といったか、あいつにも正直驚かされた。
鬼であるのにあそこまであの娘を喰いたくないと思わせる意志にな、自分の腕を噛みちぎりそうになるまで飢餓状態を抑える自制心に驚かされた」
鬼はここまで人間らしい一面を持つ者なのかと、天元もあの場で驚いた者の一人だったようだ。
「それによ」
「?」
「お前の鬼・・・あの燕薇とかいうやつ、なかなかいい目をする。お前やお前の家族があいつと築き上げてきた絆の結果だろうな」
「・・・・はい」
「大事にしろよ」
「はいっ」
すると天元が屋根から飛び降りた。
「よし、じゃあ話はここまでだ。気配が近いぜ」
「ここに?」
「ああ、この下だ」
天元は地面に耳を付けた。
「誰かが戦っている、反響していて良く聞こえるぜ。
中が広い空洞になっているんだろう、だがそこに辿り着くまでの道が幼子が通れるくらいの幅しかねぇ」
「え?では、どうしたら・・・」
「決まってんだろ?」
天元は背中に背負っている二刀を掴む。
「音の呼吸・壱の型―――『轟』!!!」
ドオンッ!
「!?」
天元の技の発動と同時に爆音がする。
「派手に乗り込むぜぇ!」
―――――――――――――――
「何なのよ、騒々しいわね」
天元の技の際に出た爆音は霧香や炭治郎、堕姫たちにも聞こえていた。
「あっちでも何かしているようだけど・・・どうやら四~五人ってところかしら?
でもそれくらいなら大した数じゃないわね」
「何だと?」
「今、ほんの少し斬り合っただけでアンタのその刀・・・」
炭治郎の刀を指す堕姫。
「もう刃こぼれしてる、碌な刀鍛冶じゃないんでしょうね、それを打ったのは」
「違う!この刀を打ったのは凄い人なんだ!!腕の良い刀鍛冶だ!」
「じゃあ何で刃こぼれなんかするんだよ、間抜け」
「俺のせいだ、使い手が悪いから刀が刃こぼれするんだ、刀のせいじゃない!」
そう、自分は使いこなせていない。
そもそも水の呼吸に適した体ではないのだろう、鱗滝左近次や富岡義勇のようになれない。
それはヒノカミ神楽を放った自分の体が良く分かっている、あちらの方が自分の体質にあっているんだ。
しかし、ヒノカミ神楽は強力過ぎるのだ。それ故に炭治郎は技の連発ができない。
それはまだ自分が未熟だということ・・・でも、やるしかないのだ。
ヒノカミ神楽を極めてこそ自分はもっと強くなれる、そのために修行をしてきた。
「ふぅん・・・じゃあ、お前はもうつまらないね。次で殺すことにする」
堕姫は歩き出す。
〈負けるな、炭治郎・・・燃やせ、自分の中の思いを燃やせ、燃やせ!燃やせ!!!〉
「『心を燃やせ』」
「!」
霧香が放った言葉に炭治郎が反応する。
「刃こぼれした刀でも戦える、その術を私たちは持っている。
重要なのはそれに足りえる器量と技術、そして心の在り方だ。私の弟はお前が思っているほど『つまらない』ヤツじゃない」
「霧香さん」
「炭治郎、やってみなさい」
「・・・・・はい!」
「いちいち癪に障るわね・・・さっさと死ね!!」
堕姫の帯が炭治郎に襲いかかる。
「『ヒノカミ神楽・烈日紅鏡(れつじつこうきょう)!』」
炭治郎の体が回転する。