第34話 三夜通い
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この小説の夢小説設定鬼滅の刃のIFストーリー(もちろん二次創作)
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「心当たりのあることは全て話せ、怪しいのは誰だ?」
男は尚も問うてくる。
旦那は話すべきか迷った、蕨姫のことを他人に話した知れたら今度は自分が殺される。
それに自分にこのようなやり方で聞き出してくる男だ、信用できるかもわからない。
「大丈夫だ、俺を信用しろ。
お前が今、心に浮かんだそいつは必ず俺が殺してやる。女房の仇を討ってやる」
「・・・・!」
仇―――・・・この男が・・・
男の言葉は妙に説得力があった、あの女(蕨姫)のような者の始末に覚えがあるのだろう。
「・・・わ、蕨姫という・・花魁だ!日の当たらない北側の部屋にいるっ・・・!」
旦那は絞り出すような声で伝えた。
―――――――――――――――
旦那から『蕨姫』の事を聞き出した男・もとい宇随天元は部屋に向かったが主はいなかった。
『人間を狩りに行っている』と直感した、おそらく潜入していた雛鶴は蕨姫に探られているのが知られそうになったので病気になったふりろしたのだろう。
己を守る、そして情報を自分に渡すためにした行動だったのだろう。
〈雛鶴・・・〉
杏寿郎に『危険は付き物』だと豪語していたものの自分も嫁のことになるとこうだ。
情けないと思いつつも、それでも天元は諦めない。
〈鬼の気配を探りながら雛鶴を捜し出す、どうせ鬼のやつも明け方には部屋に戻るはずだ、必ず俺の手でカタを付けてやるぜ!〉
まずは雛鶴のいる切見世に向かう事、天元は素早く屋根の上を移動して行った。
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「『過去の認識を真に受けていた自分を改めろ』ですって?
要するにアンタを『弱い』って言ったのを取り消せってこと?」
「そうだ」
「ウフフフ・・・・アハハハハッ!!」
堕姫は嘲笑する。
「そんなの改めるわけないじゃない、人間は『弱者』、そのへんの雑草と同じよ。踏みつければそれで終わり・・・『柱』のような太くてしぶといヤツじゃないなら、アタシの相手はできないのよ!」
「ふうぅ・・・」
そこでため息をつく霧香。
「口で言っても分からないなら、体で分からせた方がいいね」
「?」
フッ――・・・
「!?」
目の前から霧香が消えた。
「雪の呼吸・壱の型―――・・・『群雲(むらくも)』」
「!」
スパッ――・・・
トン、トトン・・・フッ!
「!?」
ドゴッ!
堕姫は霧香によって蹴り飛ばされた。
「鯉夏さんは返してもらうよ」
最初の一撃で帯の中に閉じ込められた鯉夏の部分だけを綺麗に切り離していた。
「・・・・」
埃の立つ中、ムクリと堕姫が起き上がる。
「よくも・・・よくもっ!!」
目が血走り、牙を剥きだしにして霧香を睨む堕姫。
「アンタッ!よくも私の顔を狙ったわね!!」
そう、霧香は蹴る的として狙ったのは堕姫の顔・・・正確には頭なのだが、しかし正面からなのでどちらにしろ防がねば堕姫の顔は血みどろだろう。
「このアタシの顔をっ・・・足蹴りにしようとしたわねッ!!」
「ああ、鬼とはいえお前も『女』だったね。でも性格が醜いお前は顔も醜くなった方がいいんじゃないの?」
「何ですって!?」
屈辱だ、自分よりも弱い人間の小娘に蔑まれたのだ。