第33話 お披露目
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この小説の夢小説設定鬼滅の刃のIFストーリー(もちろん二次創作)
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これは夜見世の少し前の時間・・・
夜見世の支度をしながら最後の仕上げの紅を注していると押し入れから音がする。
「あら、禰豆子ちゃんかな?」
立ち上がり、押し入れの戸を開けるとやはり禰豆子だった。
どうやら眠いのに眠れず、霧香に甘えに来たようだ。
「眠れないの?」
目を擦っている禰豆子に聞くとコクンと頷く。
「おいで」
自分の膝に誘う霧香。
禰豆子は木箱に入っていた小さい姿で膝に乗ってくる。
「この大きさだと抱っこしやすいね」
「むぅ・・・」
目を擦りながら擦り寄ってくる。
「禰豆子ちゃん、子守歌でも歌おうか?」
「(コクリ)」
「でも、私・・・歌があまり上手くないかもだけどいい?」
「(コクリ)」
「わかった」
禰豆子の背中を優しく叩きながら霧香は唄う。
ねんねんころりよ、おころりよ
禰豆子は良い子だ、ねんねしな
ねんねの御守りは、どこへ行った
里の土産に、なにもろうた
でんでん太鼓に、笙の笛
「・・・・?」
「あれ?目が冴えちゃったかな?」
禰豆子が眠る様子はない、困った霧香。
そこへ炭治郎がやってきた。
「あ、炭治郎。夜見世始まるって?」
「いいえ、もう少し後みたいです。禰豆子の様子が気になって・・・」
「そっか、ちょうどいいところに来てくれたよ」
『おいで、おいで』をすると炭治郎が歩み寄ってきて座る。
「禰豆子ちゃんが眠れないみたいでね、今、子守歌を歌ってたんだけどダメみたい」
「子守歌ですか?」
「うん、江戸子守歌」
「ああ、あの『ねんねころりよ』から始まる・・・」
「そうそう」
炭治郎が考え込む。
「うーん・・・もしかしたら俺たちが母から聞いたのとは違うから馴染みにくいのかもしれないですね」
「なるほどね、炭治郎や禰豆子ちゃんのお母さんはどんな唄を唄ってくれたの?」
「『小山の子うさぎ』って知ってますか?」
「佐賀県の子守唄だね。
たしか・・・『こんこん小山の 子うさぎは
なぜにお耳が長うござる、小さい時に母様が
長い木の葉を食べたゆえ、それでお耳が長うござる』だったっけ?」
「そうです」
「むう~!」
禰豆子も嬉しそうだ。
「あ、やっぱりこの唄の方が良いんだ」
禰豆子はぎゅうっと抱きついて歌を催促する。
彼女の頭を撫でてまた歌う体勢に入る霧香。
「炭治郎も聞く?」
「え?いや、俺は・・・」
「むう!」
すると禰豆子が炭治郎の腕を握る、一緒に聞こうということらしい。
「わかった、一緒に聞こうか」
炭治郎は禰豆子が霧香の膝に戻ったことを
見ると自分も傍に座った。
「炭治郎も疲れたのなら少し寝てもいいからね」
「はい、ありがとうございます」
微笑んだ霧香はまた禰豆子の背中を優しく叩き始めた。
こんこん小山の子うさぎは
なぜにお耳が長うござる
小さい時に母様が長い木の葉を食べたゆえ
それでお耳が長うござる
こんこん小山の子うさぎは
なぜにお目目が赤うござる
小さい時に母様が赤い木の実を食べたゆえ
それでお目目が赤うござる
「むぅ・・・」
眠そうにうつらうつらと舟をこぐ禰豆子。
「いい子、いい子・・・眠りなさい」
こんこん小山の子うさぎは
なぜにお耳が長うござる
小さい時に母様が長い木の葉を食べたゆえ
それでお耳が長うござる
こんこん小山の子うさぎは
なぜにお目目が赤うござる
小さい時に母様が赤い木の実を食べたゆえ
それでお目目が赤うござる
「・・・・・」
禰豆子は安心したように寝息を立てる。
禰豆子が眠った後も、しばらくは背中を叩き続ける。