第33話 お披露目
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この小説の夢小説設定鬼滅の刃のIFストーリー(もちろん二次創作)
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「お、おうっ・・・俺はあの怪力女とここに売られたんだ」
「怪力女?」
「琴乃のことだな、彼女は黒鉄家でも『剛力』の持ち主だ。この少年の暴走を止めるためにも宇随が組ませたのかもしれん」
「その人は今、どこにいるの?」
「あそこの端で座ってるぜ」
三人が張り見世を見ると淡い緑色の着物に橙色に金の刺繡を施した帯を結んだ琴乃が静かに座っていた。
鬼殺隊の服を着ている時の雰囲気とはまるで別人である。
「ここは私が行こう」
行冥は店に入る。
「いらっしゃい、旦那。どの子を御指名ですか?」
女将が聞いてくる。
「あの端にいる淡い緑の着物を着た娘を指名したい」
「あら~、困ったわ。今あの子は別のお客さんが御指名なんですよ」
「金は払おう、前払いでこれで良いか?」
そう言うと懐から紙幣の束を取り出した。
女将だけにしか見えなかったとはいえ、彼女の顔は引きつっている。もちろん恐怖の引きつりではない、商人としての歓喜のものだ。
「まあ、こんなにいただけるんで?」
「私はこれから毎度、あの娘を指名する。そのための金は惜しまん、さっきも言ったように勘定は前払いだ。いいだろうか?」
「ええ、ええ!もちろんですとも!小鎖音新造をすぐにつけますから、お部屋でお待ちくださいましな!」
大喜びで琴乃を呼んでくる女将。
「では、ここからは別行動だ。二人とも気を付けてな」
「ああ」
「悲鳴嶼さんも気を付けて」
伊之助の話で残り二人の居場所を聞き出した杏寿郎と無一郎は、まず京極屋に向かった。
「コラッ!しっかり客引きしねぇか!善逸!」
「はいィ~~ッ!ご案内!ご案内!」
兄妓夫にしごかれながら客の呼び込みをしている善逸。
「ねえ?」
「へ?・・・ひいィィィッ!!」
急に声をかけられて振り向くと鼻先寸前に無一郎の顔があったのでびっくりしている善逸。
「お!にいさん、可愛い子連れてるね!ウチに入れてくれるのかい?」
兄妓夫の視線は無一郎の後ろの杏寿郎に・・・。
「ん?」
しかし杏寿郎は何のことかわからない。
「あのさ・・・目、腐ってるの?」
「あ?」
「僕、男なんだけど」
「!?」
兄妓夫の目が点になる。
「嘘言いなさんなよ、そんな顔と細っこい体で男って・・・」
「嘘じゃないよ、何なら上、脱ごうか?」
思いきり着物の前を開こうとする無一郎。
「わわわわっ!!止めてくださいッ!!こんな見世前で!」
善逸が前から、杏寿郎が後ろから無一郎を抑える。
「すまんな、そうは見えないかもしれんが無一郎は男だ。同僚の俺が証言しよう」
杏寿郎がきっぱりと言い切った。
「あ、ああ・・・にいさんが言うなら、そうなんだろうな。すまねぇな・・・」
兄妓夫がポリポリと頭を掻く。
「それで、今日は坊ちゃんはここに女を買いにきたのかい?」
「この人と一緒に入った女の子がいるはずなんだど、その子に会わせてほしいだ」
「おいおいおい、善逸の姉ちゃんのこと言っているならやめときな、坊ちゃん・・・そういうことはもっと稼いでから言いな、遊廓の一晩は並大抵の金額じゃねえぜ?普通の家の暮らしのひと月分の金子が飛ぶんだぜ?坊やに払えるのかい?」
「その子、今、遊女の位はどれくらいなの?」
「新造だからな、少なくともこれくらいはかかるさ」
指を立てて料金を教える。
「ふーん、それくらいでいいんだ」
懐から財布を出すと無一郎は兄妓夫に金子を手渡した。
「!」
手渡された金子は少なくとも二倍はある。
「これで文句ないでしょ?早く彼女の所に連れて行ってよ」
「わかったよっ・・・ちょいと待ってておくんな!」
男は慌てて中に入っていった。
「あががががっ・・・!」
無一郎がサラリと差し出したの驚愕して開いた口が塞がらない善逸。
〈柱って給金、いくらもらってのさ――――ッ!?〉
「お客さん!こちらへどうぞ、篝火新造には支度はさせているから!善逸、さっさと案内しろ!」
「は、はいっ!」
無一郎は杏寿郎を見て、手を振る。
〈時透、そちらは任せたぞ・・・・俺はこのままときと屋に向かう!〉
さて次は霧香の潜入しているときと屋だ。