第33話 お披露目
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この小説の夢小説設定鬼滅の刃のIFストーリー(もちろん二次創作)
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「キャ―――ッ!」
「殴っちゃったっ・・・!」
姐さん遊女の悲鳴が響く。
「あらあら・・・」
追いかけて来た琴乃もすぐに状況を判断。
幸い、借金の上乗せを条件に伊之助は許されたものの伊之助への監視が厳しくなってしまった。
さて、どうしたものか・・・。
そしてこちらはアカリと善逸の潜入している京極屋。
「はあ~・・・」
妓夫の仕事をしながら善逸はため息をついている、今、蕨姫という花魁の贈り物を運んでいる途中だ。
「何生気のない顔してるのよ?」
「・・・・」
振り向くとそこには新造姿のアカリがいた、アカリも京極屋の女将に期待されて昼見せから座敷に出ていた。
〈アカリって黙ってれば美人なのにな・・・何でこんなに言葉遣いが荒いんだろう?〉
「アンタ・・・今、私の悪口思ったでしょ?」
「つっ!!(フルフルッ)」
全力否定!
「まあ、はっ倒すのは後にしてあげるわ。雛鶴さんの情報、何かわかった?」
「いいや、耳を澄ませてはいるんだけど・・・日常会話くらいしか聞こえてこないんだ」
「私の方もダメね、収穫なしよ」
「どうしようか・・・ん?」
そこで善逸の耳が何かをとらえた、急に走り出す。
「ちょ、何なの!?善逸!」
走り出した善逸を追いかけるアカリ。
ある部屋の前で止まり、荷物を下ろして中に駆け込んだ。
「どうしたのよ!」
「この中で女の子が泣いてるんだ(どやっ)」
「ドスンッ(コケた)」
ベシッ!!
アカリは善逸の後頭部を思いっきりブッ叩いた。
「アンタね!どや顔して言うんじゃないわよ!何かと思ったじゃない!!」
「俺にとっては重要なことなの!女の子が泣いてんのは見過ごせないのっ!!
アンタみたいに肝っ玉座った女の子ばっかりじゃないんだぞっ!!」
「もう一発いく?」
アカリが平手を上げようとしたので素早く部屋の中の状況を探る善逸。
「え?ちょっ・・・!」
部屋の中は強盗が入ったのではなかろうかと思うくらいめちゃくちゃだった。
そして泣き声のぬしであろう女の子が座り込んでいる。
女の子は顔にケガをしていた。
「ちょ!けんっ、喧嘩!?喧嘩した!?大丈夫!」
善逸が駆け寄ると女の子はまた泣き始める。
「あああっ・・・・えっと君を怒ったわけじゃないんだよ!ごめんね!」
泣き始めたことにオロオロする善逸。
〈女の子が放っておけないとか言っておきながら慰めもできないじゃない・・・、全くだらしがないっ・・・つっ!?〉
呆れていたアカリだったが背後に悪寒を感じた。
「何してんのさ、アンタたち・・・人の部屋で」
後ろには美しいが目つきの悪い遊女が立っていた。
「・・・・・」
アカリの五感が訴える、『この女は鬼』だと・・・音、匂い、気配が強まる。
しかし、これは無限列車にいた魘夢のような下弦の鬼の気配ではない。もっと強い、恐ろしいもの・・・・。
〈こいつ、まさか・・・上弦ッ!〉
善逸の方を見ると彼も耳で彼女のことを察したようだ、怯えた目でこちらを見ている。
「オイ、聞こえなかったのかい?」
「す、すみません・・・でも、泣き声が聞こえたので来てみたら、部屋がめちゃくちゃで・・・」
声を搾り出すアカリ。
「はあ?アンタ、ここが誰の部屋かを知らないの?」
「わ、蕨姫花魁・・・篝火新造とその妓夫さんは一昨日入ったばっかりで」
「だから何だってのよ?」
外で控えていた禿を睨みつける花魁、そしてアカリの顔をマジマジと見つめる。
「ふーん・・・その顔で新造?女将の目も狂ったね、こんな不細工は小銭くらいしか稼ぎゃしない」
襟を掴むと引き寄せる。
「アンタ、死んだ方が良いんじゃない?」
「っ・・・!」
蕨姫と呼ばれた花魁の眼光に不覚にも恐怖を感じてしまい動けなかったアカリ。