第32話 蝶屋敷人攫い騒動
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この小説の夢小説設定鬼滅の刃のIFストーリー(もちろん二次創作)
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「達者でな、琴乃~、伊之助~」
天元は手を振って見送るが腑に落ちないのが二名。
〈〈あれ?私(俺)たちだけ売れ残り!?〉〉
地味にショックを受けている。
「大見得張った割には役に立たねえな、お前」
「キイ――ッ!失礼ね!!運よく二人があなたのいう所に行けたんだからいいじゃない!
もう一か所めぼしいところがあるんでしょ!さっさと連れて行きなさいよ!!」
「アカリ、もう少しおしとやかにした方がいいんじゃないの?」
「うっさいわね!黙ってなさいよ!弟!!」
〈俺、年上(十六歳)なんだけどォ~~ッ!?〉
「あ~、わかったわかった・・・ったく、気が強すぎるのが面に出てるから可愛く見えないのが玉に瑕ってか」
ピーピーと騒ぎ始めた二人を抱えて天元は三軒目となる京極屋に向かい、巧みに交渉してアカリと善逸を買い取らせることに成功した。
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一方、ときと屋では―――・・・
「まあ、綺麗だこと~!」
「可愛いわぁ~!」
灰と土で真っ黒だった霧香はお風呂に入らされ、着物を着換えさせられた。
「これはいい子になるわね、ねえ?女将さん」
「ええ!さあこれからお稽古よ!」
「あの・・・弟は?」
「妓夫の兄さんたちに仕込んでもらってるよ!さあ、アンタも自分に芸を仕込むんだ!ほら、行くわよ~!」
姐さん遊女に連れ出される霧香。
―荻本屋―
「いいね!いいね!飲み込みが早いじゃないか!」
舞の稽古で一曲踊り終えた琴乃を見て女将が褒めちぎる。
「本当にね~!身のこなしも軽やかだわ!誰かに習ったのかい?」
姐さん遊女も賞賛している。
「ええ、近所に住んでいたお姉さんに」
「そうかい!こりゃあ禿にしておくのは勿体ないねぇ!」
女将がニヤニヤしながら掌を擦り合わせていた。
―京極屋―
「お粗末様でございます」
「ん~!いいじゃないか!ここまで三味線を弾きこなすなんて、アンタ本当に農家の娘かい?」
「実は姉妹同然に育った姐さんが私に教えてくれたんです、私も農業の傍ら習っていて、とても楽しくてつい・・・」
三味線片手に微笑んでいるアカリ。
〈よくあそこまで猫被れるもんだ・・・〉
妓夫として働きながら様子を見ていた善逸、アカリの接し方の変わり振りに驚きである。
どうやら華陽隊の三人は身につけた教養、芸の品の高さから廓奉公を異例の新造から始めることになった。
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また場所は変わり、海野家では・・・。
「ん?杏寿郎殿の鴉だね」
部屋で書類に目を通していた晴哉の元へ要がやってきた。
「やあ、久しぶりだね。杏寿郎殿はその後、変わりないかい?」
『ハイ!杏寿郎様ハ日頃、晴哉様ヤ那津蒔様ニ感謝シテオリマス!オカゲデ隻眼ノ身デ以前ノ様ニ動ケルヨウニナリマシタ!』
「そうか、良かった・・・それで今日はどんな言付けを預かってきたんだい?」
『杏寿郎様ガ千寿郎様ヲ連レテ海野家に参リタイト申シテオリマス、ソレデコチラノ都合ハイカガカト!』
「そうか、弟御と一緒に・・・しかし霧香は今、任務中で屋敷にはいない。
こちらから改めて戻ったら日を伝えよう、杏寿郎殿には謝っておいてくれないかい?」
『承知致イタシマシタ!』
「念のために私が一筆書こう、その方が杏寿郎殿も動きやすいだろうからね、
要、すまないが手紙をしたためるから少しの間待っていてもらえないだろうか?」
『承知ィ!』
晴哉はサラサラと手紙をしたためて要に託した。
そして煉獄家に戻った要によってその手紙は杏寿郎に手渡った。