第2話 最終選別
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この小説の夢小説設定鬼滅の刃のIFストーリー(もちろん二次創作)
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「まずは一匹・・・さあ、次はお前の番だ」
手鬼は動かない霧香を見る。
「・・・たのか・・」
「んんん??」
「お前が真菰を・・・私の兄弟たちを殺したのかっ!!」
霧香の体を冷気が包む。
「そうさッ!殺して喰ってやったァ!ヒヒヒヒッ!」
「!」
霧香が動く。
〈ん!?速いッ、目で追えないぞ・・・、だが俺の頸の守りは硬い、あの宍色のガキにも斬れなかった、斬り損なったところで頭を握り潰してやるッ!〉
『霧香・・・あなたならできるよ』
〈真菰・・・〉
冷気の霧に体を溶け込ませ、呼吸を集中させる。
「お前の頸・・・貰い受けるぞ」
「!」
いつの間にか目の前に霧香が迫っている。
〈見えなかったッ!?〉
「雪の呼吸・壱の型――・・・『群雲(むらくも)』」
手鬼の頸は横一直線に斬られた。
「げえぇっ・・・!」
頸を斬られた手鬼の体は黒ずみ、ボロボロ崩れている。
「俺の・・・俺の身体がァ・・・く、崩れていくっ・・・!
くっそ・・・最後に見るのが鬼狩りの顔だなんて!!」
「お前は目を閉じるのが怖いのか?」
「!?」
背を向けながら霧香は手鬼に言った。
「私は五大呪術一門の出身だ、私たちの一族は闇に生きる者たちの声を聞くことができる」
この鬼は人間の時は小さな子供だった、夜を怖がり、闇を怖がり、暗がりを怖がる子供だった。
「波流門・壱の呪文――『映し札』」
梵字を書いた札を崩れかけている手鬼の手に握らせた。
「これはお前の人間の頃の記憶を映し出す鏡だ、お前は地獄に堕ちる・・・次に生まれることを許される日まで時間がかかるだろうけど、それまでこの札を見て償うといい」
そう言われた時、大粒の手鬼が涙を流した。
〈兄ちゃん、兄ちゃん――、手を握ってくれよ!〉
〈しょうがねえなぁ、いつまでも怖がりで〉
「にい、ちゃ・・・」
言い終わらぬうちに手鬼は散った。
「錆兎、真菰・・・みんな―――」
終わったよ―――・・・
「炭治郎」
「っ――・・・」
炭治郎は目を覚ますと霧香が覗き込んでいた。
「あ・・・霧香さん・・・」
「終わったよ、手鬼は斬った」
「そう、ですか・・・」
「起きられる?」
頭を打っているかもしれないので炭治郎をゆっくり起き上がらせた。
「痛みは?吐き気とか怠さはない?」
「はい、大丈夫です・・・あの、すみません、俺・・・」
「ううん、いいんだよ」
情けなさから俯く炭治郎に笑いかける。
「炭治郎」
「え?」
「錆兎や真菰に会ったことがあるの?」
「霧香さんも知ってるんですか?」
「うん、錆兎は『いつの子』かは分からないけど・・・真菰は私の姉弟子なんだ」
「ええぇ!?」
「四年前に手鬼に喰われて死んだ・・・本当なら私も四年前に『ここ』に来るはずだったんだ」
悲し気に立ち上がった霧香。