「宇随様、せめて何故その二人を連れて行くのか理由を言ってください。でないと二人も彼らも納得しません」

「うるせーな、任務で女の隊員が要るから連れてくんだよ！継子じゃなければ胡蝶の許可も必要ねーだろうが！」

霧香が丁寧に聞いているにも関わらず面倒くさそうに答える。

「なるほど、でも隊員でないものを任務に巻き込むのはどうでしょう？」

「ああ？」

「なほちゃんは隊服着てませんよ、彼女は鬼殺隊員ではありません」

「じゃあ、いらね」



ぺっ



『つっ！？』←宇随を抜いた一同



天元はなほをそのまま落としたのだ。


「何てことするんだ！この人でなし！」

「ホント最低だわッ！！こんな人が杏寿郎様と同じ柱なんて思えないッ！！」

炭治郎とアカリがキャッチしたので地面衝突は免れたが自分勝手にもほどがある。

「とりあえずコイツは連れて行くぜ、何の役にも立ちそうにねェが、こんなんでも一応隊員だしな」

「・・・・」

ピクッとアカリが反応する。

「霧香の言った通りだわ、本当にガッカリよ」

「あ？」

「アンタや不死川様みたいに『人』を『人』とも思わない輩が柱でそんな輩に私たちが協力していると思うと情けなくなってくるわ！！」

「ぬるい、ぬるいねぇ・・・このようなザマでぐだぐだしているから鬼殺隊は弱くなってゆくんだろうな」

「『弱くしている』の間違いでしょ？」

「？」

「アオイさんは隊員を治療する役割を担っているはず、そもそも戦闘には不向き。
自分でもそれは周知していたはず、柱なら適材適所、人材の見極め位できるはずだわ！
それを怠っていたから鬼殺隊は弱くなっているんじゃないのかしら？育手にも一般隊士にも言えることだけど・・・『不足』はあなたのような横暴な柱が指示ができないからじゃないかしら？」

「ほう・・・」

天元の目が細められた。

〈アカリ・・・大丈夫かしら？〉

〈私も不死川様にあんな風に言ってたのかな？〉


仮にも相手は柱だ、口の利き方には気を付けるように言われたもののアカリは頭に血が昇りやすい性格だ。
一言出てしまったらツラツラと口から出てしまう、本音を話してくれるといえば聞こえはいいがそれは状況や相手による、さて天元はどうするか。

「いいぜ、そこまで言うなら・・・」


ストッとアカリの目の前に降りて来た。


「ほれ」

「きゃっ！」

アオイをアカリに放り投げる。

「大丈夫？」

「は、はい・・・何とか・・・」

受けとめられたものの同じ体格差なので後ろに尻もちをつくアカリ、でもアオイは怪我はないようだ。

「お前、ちっこいが顔はまあまあ可愛いからイケるだろう」

ニヤリと笑う天元。

「「・・・・・」」←嫌な予感がしてる霧香と琴乃


「なあ、五大呪術家ってのは隠れとはいっても名門だろう？その家の生まれの女ってのは詩も楽も仕込まれるだよな？」

「え、ええ、もちろん」

「なら決まりだ！今回の俺の任務について来い、華陽隊！」

「はあぁぁ――――ッ！？」

〈〈ああ～～・・・やっぱり、そうなるのね～～～・・・・〉〉


「あれだけ大口たたいたんだ、今さら『無理』とは言わないよな～？そんなこと言ったら女が廃るし、そいつ（アオイ）を連れてくぜ～？」


ニヤニヤしながらアカリを見下ろす天元。

「～～～～～っ」

これはアカリも引くに引けない。

「いいわよっ！！行ってやろうじゃないっ！その任務とやらに！！」


〈〈言っちゃったぁぁ―――ッ！！〉〉


完全に巻き込まれた霧香と琴乃であった。