間章 我が家
名前変換
この小説の夢小説設定鬼滅の刃のIFストーリー(もちろん二次創作)
詳しくは設定、注意書きをお読みください。
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「騒がしいな、おい・・・」
「何してるんだ・・・」
庭からやってきた黒椎と紅虎。
「あ!黒椎、紅虎!ただいま!」
二人に手を振る霧香。
「おう」
「お帰りなさいませ、霧香様」
「二人のおかげで生きて帰って来れたよ、ありがとう」
「いいえ、我らは晴哉様や那津蒔様のお気持ちに答えただけです。
手遅れになる前に施せて安心いたしました、あの危険な状態でよく頑張りましたね」
紅虎は笑いかけてくる。
「紅虎さん!響凱さんをどうにかしてください!」
「私たちも霧香ちゃんと話したいのに寄こしてくれないのよ!」
「それで追いかけっこしてんのか?お前ら」
黒椎が響凱のところに行くと『ひょい』っと霧香を奪って連れて来る。
「ほれ」
「霧香お姉ちゃん!!」
「きゃーっ!!霧香ちゃん!」
「く、黒椎っ・・・お前、何を!!」
「お前の気持ちもわかるがあの二人も霧香に会いたがってたんだ、同じ年頃(?)だしよ。お前が少し大人になってやれ、なあ?響凱」
「うぐぐ・・・」
「そうだぞ、響凱」
「つっ!津雲殿っ!」
珍しいことに津雲も鬼灯から出てきたようだ。
「主は使役鬼にとって特別な者だというのは我々は全員承知している。
だがな、それは自身の主だけではなく、その家族も同じなのだ。
わしらも晴哉が同じ目に遭えば取り乱すだろう、だがそれは黒椎や紅虎、音羽も同じだ」
津雲は大きな体でズシズシと進みながら霧香の傍に胡坐をかく。
「阿古夜、雲雀童子、霧香をしばし借りるぞ」
そう言って小さい子供のように抱き上げて膝の上に乗せる。
「よく戻ったな、霧香。お前が瀕死の重傷だと聞いて長年生きているわしも肝が冷えたわい」
「ごめんね、津雲・・・響凱のこともありがとう」
「気にするな、大事な家族の命の危機だ・・・取り乱すのも無理はない。
わしも晴哉がそんなことになったら心穏やかではいられんわい」
まるで祖父と孫のやり取りをみているようだ。
「わしは代々当主の使役鬼を務めてきた・・・お前の祖父や瀬津寿の時もな。
任務は危険が付き物なのは百も承知だが、それでもわしは失うのは怖いのだ。
人を喰い、鬼舞辻の恐怖の支配下に置かれ、日々怯えて暮らしてきた・・・その地獄から救ってくれたのはこの海野家だ。
感謝しているのだ、その家族と一族が末永く続くように、悪鬼と闘う最中でも安らかであるようにと・・・わしの力が役に立てばよいと思っている」
「立ってるよ、津雲がいるから海野家の今があるんだよ」
津雲は自身の力を捧げてくれるだけでなく、同じ使役鬼たちの鍛錬もしてくれている。
まさに使役鬼のまとめ役、精神的柱なのだ。
「だが、わしもいつまでいれるか分からんからな・・・阿古夜や雲雀童子、響凱にも立派になってほしいもんだ、ハッハハハ!」
「「「・・・・・」」」
しょぼんとする三人。
「別に責めてるわけじゃない、だがな・・・今回の事でわしらはまだまだ力不足だ。
上弦の鬼はわしが知っている頃とは様変わりしているだろう、それに備えていかなければならないということだ。
そして今一番強化しなければならないのは、阿古夜、雲雀童子、響凱・・・お前たち三人だ。
自分の主や家族を守りたいならば強くなることだ、今回のようなことが起きないためにな」
「やはり津雲が言うと重みが違うな」
「ええ、七百数間我が家を支えてくれた心強い家族よ」
「・・・・・」
那津蒔、椛、晴哉が津雲の背中を安心して見ている。
彼らにとっても津雲は海野家の守護神みたいなもの、そして祖父のそうな存在で頼れる大きな存在なのだ。
「というわけだ、お前たち。ここで騒いでいるのも良いが・・・その分、強くなれ。
わしらは五大呪術家を守る砦だ、大きく、強く有らねばならん。
それに響凱、お前も十二鬼月に選ばれた人材だ、鬼舞辻には見放されたかもしれんが、わしは見放さん。
お前を必ず強くしてやる、鬼舞辻の配下の鬼よりもな。そして今度は霧香の傍で戦えるようにな。
もちろん阿古夜、雲雀童子、お前たちもだ。晴哉の使役鬼ならばわしの手を借りる必要がないくらい構えられるようになれ」
そう言うと霧香を下ろす。
「津雲さんには一生敵わないような気がするわ」
「僕も・・・」
阿古夜と雲雀童子は苦笑いしている。
「だが津雲の気持ちも分かる、私もお前たちには期待している」
晴哉も茶を飲みながら語る。