間章 我が家
名前変換
この小説の夢小説設定鬼滅の刃のIFストーリー(もちろん二次創作)
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「ただいま戻りました!」
その日、医師から屋敷に帰る許可がもらえた霧香は数ヶ月ぶりの我が家に戻って来た。
ドドドドドド―――・・・・
「ん?」
何やら遠くから音がする。
「どうした?」
那津蒔が続けて入ってくる(お迎え係)
「何か奥から音が・・・」
ドドドドドドッ・・・・ガタタタ――・・・・
「ああ~・・・『アレ』な・・・」
那津蒔は思い当たることがあるようで苦笑してる。
「?」
『何があるのか?』とまさに聞こうとしたその時だった。
ズドドドドドドッ!ドタドタドタッ!
「霧香―――っ!!」
「!?」
霧香は名前を呼ばれると同時に強い力に抱き上げられた。
「きょ、響凱!?」
「ようやく帰って来たか!!心配したぞっ!!心配したのだぞっ!!」
ギュウウウウッ!!
響凱はこれでもかというくらい抱きしめている。
「きょ、響凱っ・・・ちょっと落ち着いて!」
「嫌だ!小生がどれほど心配したか!お前が死ぬかもしれないと聞いた時、どんな思いでいたか・・・あんな遺言めいた言葉も残して・・・この馬鹿者がっ・・・」
押し放そうとするが響凱の力は全く怯まない、しかも最後は声が掠れている。
泣いているのだ、彼は・・・それだけのことを自分は彼にしてしまったのだ。
思えば任務から今まで約四カ月になろうとしているのだ、そんなに長い間を離れたことはなかった。
響凱にとって主である自分がいなかったことがどれだけ喪失感があっただろうか。
「ごめんね・・・あんな言葉を残して、約束破る所だったね」
「全くだっ・・・小生にとって『独り』に戻ることこそが『ごめん』だ!」
「うん・・・本当にごめんね」
響凱の頭を撫でてやる霧香。
――――――――――――――――
「え―――っと、響凱?そろそろ離れない?」
「断る」
家の中で何時間も響凱にハグされている霧香。
その時の時刻は戌の刻だったため屋敷内にいたのだが一向に戻る気配がない。
「まあ~、しょうがねーな。響凱、お前が『上弦の鬼と戦闘して重症で危篤状態』だって聞いてからひどかったからな」
「え?」
「ええ、それはもう大変でした」
那津蒔や椛と同じく鬼灯から出てきた音羽が頷く。
「霧香の名前を叫んで泣き喚くし、上弦の鬼を倒すとか言い始めるし、香炉家に乗り込もうとするしで・・・黒椎と紅虎、音羽の三人がかりで止めたんだぜ」
「・・・・・(汗)」
「それでも聞かないから最終的に津雲(つくも)の力で大人しくさせたのよ」
津雲とは晴哉の三人の使役鬼の最後の一人だ、海野家の使役鬼の中でも最高齢で鎌倉時代の鬼である。
「それだけ鬼に愛されているということだろう」
「晴哉兄さん」
「お帰り、完治して帰って来てくれて何よりだ」
仕事をひと段落させて居間にやってきた晴哉、後ろには阿古夜と雲雀童子も一緒だ。
「霧香ちゃん!」
「霧香お姉ちゃん!」
二人も飛びついてくる。
「ぐふっ!」
特に雲雀童子は顔面にきた、天狗の仮面が直撃する。
「雲雀童子!霧香にくっつくな!」
「えーっ!!響凱さんはずっとくっついてるじゃん!僕もくっつきたい!!」
「小生は霧香の使役鬼だ!近くにいて何が悪い!!」
「でも僕もくっつきたいの!!」
「私もよ!四カ月も会ってないんだもの!たまには女の子同士で抱き合いたいわ!」
「駄目だ!」
「「ケチッ!」」
霧香を持ち上げて逃げ回る響凱と追っかける阿古夜と雲雀童子。