間章 希望と意志
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この小説の夢小説設定鬼滅の刃のIFストーリー(もちろん二次創作)
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「頂戴します」
小さく切り、口に運ぶ。
「!」
口に入ったおはぎは甘すぎず、されどさっぱりすぎず、程よい加減だ。もち米も程よい弾力・・・。
「~~~っ////」
霧香の顔が一瞬で『ほわ~』っとなる。
「美味いか?」
「はい、不死川様に『美味しかったです、ありがとうございました』とお伝えください~///」
「うむ、そうしよう。さて、皆も食べよう」
霧香の表情に満足した行冥はみんなにも食べるように促す。
それぞれおはぎを皿に取り、食べ始める。
「・・・・」
「~~~!」
「美味しいわ」
「はい!」
「うまいっ!」
各々嬉しそうに食べてくれたようなので行冥もおはぎを口にする。
不死川の選んだおはぎはやはり美味かった。
――――――――――――――
「さて、食べ終わったことだし・・・私は片付けしてくるわね」
「手伝おうか?」
「いや、私が行こう」
「いいえ、岩柱様にそのようなことは・・・」
「いいんだ、させてくれ」
断っても聞かなそうなので折れることにした
琴乃。
すると無一郎が急にアカリの手を引く。
「ちょ、ちょっと何するんですか!」
「ちょっと付き合って」
「ええぇぇ~~っ!?」
各々行ってしまったので縁側には杏寿郎と千寿郎、霧香が残される。
「千寿郎くん」
「何でしょう?」
「じっとしてて」
「?」
霧香が手ぬぐいを取り出して千寿郎の口を拭いた。
「餡子がついてたよ」
クスリと笑う霧香に顔を真っ赤にする千寿郎。
「も、申し訳ありませんっ・・!////」
「いいんだよ、美味しかったもんね、おはぎ」
微笑んだ霧香にドキッとする千寿郎。
やっぱりこの人の笑顔は温かい、一緒にいてとても安心するのだ。
病室で抱きしめられてから千寿郎は霧香を敬愛し始めた、とても母に近い温かさを感じるからだ。母もこんな人だっただろうかと・・・。
「カアァ――!薬ッ!薬ノ時間!!」
そこへ牡丹が時間を知らせてくれる。
「あ~、もうそんな時間か・・・」
「では僕がお部屋から持ってきます!」
千寿郎が立ち上がると霧香の荷物が置いてある部屋に向かって行った。
「本当にいい子ですね、千寿郎くんのおかげで毎日助かっています」
「うむ!千寿郎も君の世話をすることが毎日楽しみのようだ!」
「でも煉獄さんのたった一人の弟さんを独り占めしているみたいで申し訳ないです」
「何を言う!俺も嬉しいぞ!
千寿郎が喜び、君も喜ぶ姿を見ていると俺も嬉しい!」
杏寿郎はニコニコと満面の笑みを浮かべる。
しかし左目には眼帯がしてある。
「左目はその後どうですか?」
「うむ・・・あの後、瀬津寿殿の薦めで香炉家の医師の受診を受けた。
神経回復の薬物投与と眼球組織修復の手術のおかげで少しだが視力も戻った。
しかし、左右同時に目を開けては格差が出るので左目はあまり日の下に出さない様している。
今は少量の任務と片目での訓練に励む日々だ!」
「そうですか・・・」
『神経回復の薬物投与』と『眼球組織修復の手術』と聞いて霧香はあることを思い出したが、今は口に出さないことにした。
―――――――――――――――
「どこまで行くんですか?」
アカリは無一郎に引っ張られたまま蝶屋敷を出ていた。
「あのままにしてあげようよ、あの人・・・彼女と話があるみたいだし」
「私が退室する必要あったんですか!?」
「君、気づいてないの?」
無一郎が歩くのを止める。
「な、何をですか?」
「あの人、彼女のこと好きなんだって」
「はあ!?」
アカリは素っ頓狂な声を上げる。
「きょ、杏寿郎様が霧香をですか!?」
「そう」
「どうして!?」
「そんなの本人じゃないからわからないよ、バカなの?」
「一言余計ですっ!」
アカリは踵を返す。
「どこ行くの?」
「戻るんですっ!私は納得いきません!!」
「止める権利は君にはないでしょ?」
「ありますっ!!」
アカリは『納得できない』というよりは『悔しい』気持ちで一杯だった。
自分はもう何年も前から杏寿郎のことが好きだったのに・・・何故、霧香に取られなければならないのか。