間章 父談義
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この小説の夢小説設定鬼滅の刃のIFストーリー(もちろん二次創作)
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「どうした?瀬津寿?手紙には何と書いてあるんだ?」
「「・・・・・」」
二人は話すべきかどうするべきかと悩んだが、いい機会なので話すことにした。
「実はな、先ほど言いかけたことの続きになるんだが・・・無限列車の任務に赴く前に杏寿郎殿が我が家を訪れたことがあった。
その時に末娘の霧香を『嫁に欲しい』と言ってきたのだ」
「!?」
あまりに突然の事なのでお茶を噴き出しそうになった愼寿郎。
色恋沙汰には疎い杏寿郎が自ら進んで『嫁にもらいたい』と言い出したという事実にも驚く。
「やっぱり聞いてなかったか」
お察しという顔の瀬津寿に咽ながら首を横に振る愼寿郎。
「まあ、任務に行く前ならお前はまだ自堕落なままだったろうから話しても『勝手にしろ』と答えたかもしれないと考えたのだろうな。
それで先に霧香の方に伝えようとしたのだろうと思うが・・・」
やれやれという風に苦笑いする瀬津寿。
「これは俺の方からも霧香に話しておかなければならんな」
「そうですね・・・でも、父子揃って好きな女性の前では真っ直ぐですね」
安岐が微笑ましそうに言った。
「お前と瑠火殿を見ていたからだろうな」
「・・・・っ////」
妙に照れ臭くなる愼寿郎。
「杏寿郎殿に『手紙は受け取った、霧香への説明は私からする』と伝えてくれ」
「承知ィ――!」
要はそう言って空に飛び上がった。
「お前もそろそろ帰るか?杏寿郎殿に聞きたいことがたくさんあるだろうしな」
「ああ・・・そうさせてもらう、また近いうちに来る」
まだ咳込んではいたものの瀬津寿のいうことも最もなので別れの挨拶をしながらも慌ただしく愼寿郎は帰って行った。
――――――――――――――――
「杏寿郎おおォォ―――っ!!」
愼寿郎は帰って早々煉獄兄弟のいる部屋に向かった。
「父上!お帰りなさいませ!」
「『お帰りなさい』ではない!どういうことだ!?」
「む?何のことを言われているのかわかりませんが?」
「瀬津寿の娘のことだ!!」
『ゼエーゼエー』言ってる愼寿郎を余所に『ポンッ!(納得!)』と手を鳴らす杏寿郎。
「父上もお聞きになりましたか!」
ニコニコしながら切り出してくる。
「お前・・・結婚したい女がいるなら、まず父親である俺に言うべきだろう!」
少しズレている息子の隣りに座る愼寿郎。
「お話をしようとは思っていたのですが急に任務が入ってしまったのでお伝えするのが遅くなってしまいました!」
「お前が蝶屋敷から戻ってから今まで時間はあっただろうが!!」
「霧香のことが心配でした!」
「・・・・・っ」
確かに霧香という娘は最近、意識が戻ったと聞く。生きれるか否かの相手に対して父親に相談するというのもどうだろうかとは思うが・・・しかし!しかしだ!ここ数日で話はできる時間があったはずだ。
「お前、夕餉を取るこの時間にでも話せばよかっただろう」
「霧香のことで頭が一杯でしたので気づきませんでした!」
「はあ~・・・」
我が息子ながら真っ直ぐ過ぎる・・・。
「今日、瀬津寿に礼を言うために海野家に行って来た。そしたらお前の鴉が手紙を運んできた・・・お前、霧香という娘に何をしたんだ?」
「『何』というわけではありませんが・・・『一人の女性として好きだ』と伝えました」
ピシッ・・・
愼寿郎は固まった。
「どうしました?父上?」
「杏寿郎」
「はい」
「それは何の前触れもなく言ったのか?」
「いいえ、今まで『海野少女』と呼んでいたのを名前で呼びたいと伝え、了承を得たので呼んでみたら可愛い反応したので我慢ができなくなりました!」
「・・・・・」
眉間を抑える愼寿郎。
「返事はもらえたのか?」
「いいえ、しかし順序を段取りよく持っていければ彼女は俺を好いてくれます!」
「そ、そうか・・・」
どこからその自信が出てくるのかは不明だが杏寿郎は当てずっぽうで言う子ではない。
おそらく相手の娘にも『自分に気持ちがある』と思っての事だろう。