間章 父子
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この小説の夢小説設定鬼滅の刃のIFストーリー(もちろん二次創作)
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「あ、兄上?どうされたのですか!?」
そこへ千寿郎が駆け寄ってくる。
あの兄が泣いているので焦っている。
「兄上、どうされたのですか!?傷が痛むのですか?」
「千寿郎、父上が・・・」
震える声を耐えながら千寿郎に伝える。
「父上が俺に『よく生きて戻った』と言ってくれた・・・」
「父上が・・・」
千寿郎も驚いた、あの酒浸りになり怒鳴り散らかしていた父が兄の無事を喜んでくれた。
「瀬津寿殿が仰ってくれた通りだ・・・父上が少しずつ変わってくれた」
「霧香さんの御父上が?」
「ああ、必ずしもとは言えないが諦めなければ父上が変わることはできると言ってくれたのだ。
千寿郎っ・・・俺は、いや俺たちは変われる・・・そんな気がするんだ」
杏寿郎は微笑んで千寿郎を抱きしめた。
「兄上っ・・・兄上!!」
「千寿郎っ・・・」
自分たちの壊れかけていた絆が形を取り戻し始めている。
炭治郎と那津蒔、瀬津寿たち海野家のおかげでボロボロになっていたものが修復しつつある。
〈母上、海野家は不思議な方々です・・・俺たちの乾ききった心を潤してくれる。
『水は生命を育む』、水は渇いた大地を生き返らせ草花や食物を実らせる。
魚も水を得て泳ぎ回れる、父上や俺たちはもしかしたら『母上』という『水』を失くしたため泳げなくなっていたのかもしれません。
それを海野家が再び『水』を与え、泳げるようにしてくれた〉
――――――――――――――――
香炉家の隠し病棟―――
「・・・・・」
夕方に差しかかるとき、風が霧香の病室の窓のカーテンを揺らした。
「・・・・・」
霧香は眠り続けている。
『霧香さん・・・』
「・・・・・」
『杏寿郎をお救い下さり、ありがとうございます』
風は霧香の顔を撫でて、また外へ還っていった。
続く