第30話 太陽が見えた
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この小説の夢小説設定鬼滅の刃のIFストーリー(もちろん二次創作)
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―――こい・・・
『・・・・・』
意識を集中して音を聞く。
『・・・・・ふむ』
「何?お祖父ちゃん?」
『お前も聴覚に集中しろ、私が聞いているのと同じものが聞こえるはずだ』
「?」
祖父が後ろに周り、手で目隠しをする。
「え?何?!」
『こうした方が聞き取りやすいだろう、目をつぶれ』
「う、うん・・・」
目を瞑る。
『次に耳に意識を集中しろ・・・そして川や木々、鳥たちの声や音ではなく、その更に奥から聞こえる音を拾え』
「・・・・・」
ザザザ――・・・チョロチョロ・・・
サーッ・・・サーッ・・・
ピー、チチチ・・・ピロロ――・・・
―――――・・い!
誰かが言葉を発している。
――――・・・、――・・・ってくれ・・・
〈何か言ってるけど・・・上手く聞き分けられない〉
『焦るな』
肩に力が入ると祖父が優しく掴む。
『ここはお前の心が映し出されているといっただろう、お前が『その声を聞きたい』と願えば必ず聞こえるはずだ』
「うん・・・」
スウゥ―――・・・フゥ―――・・・
呼吸を整える霧香。
〈私はあの声が何なのか知りたい、誰の声なのか・・・〉
心で願うと自然の音が遠のく、そして聞こえた声にハッとする。
『わかったようだな、後はお前次第だ』
祖父の手が目の前から消えたかと思うと急に目の前が眩しくなった。
――――――――――――――――
「・・・・・」
気づけば霧香は白い天井を見ていた。
〈ここは、どこだろう・・・〉
何かしようにも頭はボーっとしているし、体は鉛のように重い、でも手に温かさを感じた。
「・・・・・」
ゆっくりと視線を移すとそこには自分の手を握っている杏寿郎が突っ伏して眠っていた。
そこで自分がどうなったのかだいたい思い出してきた。
自分は無限列車の任務に赴き、杏寿郎とともに上弦の鬼の猗窩座と闘った。
そして玖の型を出したところを猗窩座の一撃を腹部にくらい致命傷を負った。
しかし、頸を斬るまではと無理をしたため昏倒したのだ。
〈煉獄さん・・・〉
杏寿郎の姿を見て安心した霧香、どうやら炭治郎が頼んだことを果たしてくれたおかげで彼の命が助かったのだ。
そして自分も・・・時間はかかったが生還することができた。
〈ありがとう・・・炭治郎〉
涙が溢れた、それと同時に自然と杏寿郎の握り締めている手に力が入り、手を握り返した。
ガチャンッ!
杏寿郎の後ろで大きな音がしたので見てみるとそこには杏寿郎と同じ髪色をした少年がいた。
「あ、あああっ・・・」
少年は一瞬、微動だにしなかったが涙を流していた。
「・・・・・千寿郎?どうした?」
物音に起きたのか千寿郎の方を見る杏寿郎。