第28話 母の思い
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この小説の夢小説設定鬼滅の刃のIFストーリー(もちろん二次創作)
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「しかし香炉家の手術には驚きました。
迅速、的確、時間厳守・・・本当に人知を超えたものを見ました。
『鬼の研究』をしていただけのこともあります、普通の人間では成せないことも多数見受けられました。
でも、それで煉獄さんは助かったのですから、彼らに感謝しなければいけませんね」
「ああ・・・胡蝶、俺はどれくらい眠っていた?」
「手術が終わった後からですと、もうひと月になるところでしたね」
「よもや、任務からひと月近くも眠っていたとは・・・」
「それほど重症だったという事です」
「霧香はどうしている?」
「彼女は今、香炉家の病床で療養しています」
「生きているのか?」
「手術は成功したそうですが何分、煉獄さんより負傷が大きかったため眠りも深いそうです。
内傷の方は少しずつ機能を取り戻して、顔色も徐々に良くなってきてはいるそうですが・・・目覚めるかどうかは保証できないそうです」
「・・・・・」
杏寿郎は拳を握り締めた。
「煉獄さん」
「ん?」
「まだあなたも療養中なんですから大人しくして置いてくださいね、竈門くんのように抜けだしたり、訓練なんてしようものなら痺れ薬を混ぜて強制的に動けなくしますよ?」
「う、うむっ・・・気を付けよう!」
『しのぶならやりかねない』と本気で思った杏寿郎、仕方がないがしばらくはおとなしくしている他ないようだ。
それに手足が動けるようにならなければ霧香の元へは行けない、そして左目も・・・。
包帯の上から軽く触れてみると痛みが奔る。
「左目は潰れています、香炉家も傷を塞ぐことはできたものの視力は著しく低下するだろうとのことです」
「そうか・・・」
あの赤い瞳が片方失われてしまったことに悲しさを感じた。
「神経が回復すれば多少は視力が戻るかもしれません、ですからいじらないでください。
今、薬をお持ちしますからそのままでいてくださいね」
病室からしのぶが出て行く。
杏寿郎は天井を見上げた。
今は焦っても仕方がないのだ、まずは動けるようにすること・・・さもなくば霧香に会うのが遠のいてしまう。
〈それだけは絶対に阻止せねば〉
まだ自分は伝えていないのだ、瀬津寿と約束したことを・・・。
続く