第27話 煉獄家
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この小説の夢小説設定鬼滅の刃のIFストーリー(もちろん二次創作)
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「『日の呼吸』があったからこそ『炎の呼吸』が生まれたのだ。
そして歴代の炎柱の活躍があったからこそ今のそなたら、煉獄家が存在する。
そしてそなたは炎柱になった男だ、杏寿郎殿はその背中を見て『炎柱になりたい』と強く願った男だ」
瀬津寿は杯を置くと愼寿郎の腕を掴んだ。
「!」
グルンッ!!
一瞬だった、瀬津寿に投げ飛ばされたのだ。
「くっ・・・」
「『息子が憧れる父親』になった、それだけでいいではないか・・・あまり欲を出し過ぎると今のような状態になる。
瑠火殿のことは気の毒だった、だがそなたには瑠火殿との間に授かった息子たちがいるではないか。それを蔑ろにしてはいけない」
「・・・っ」
「瑠火殿も望むまい」
瀬津寿はそう言うと酒と杯を置いて出て行こうとした。
「ま、待て!」
「・・・・・」
「瀬津寿、お前が俺と同じ立場ならどうする?始祖・安倍晴明に及ばないと分かった時、安岐殿を亡くした時、お前ならばどうする!?」
「俺には俺と一族が積み上げてきたものがある、始祖と比べたりはしない。
安岐が亡くなったならばあいつが大事にしていたものを守るだろう、俺が亡くなった場合も安岐は同じことをするだろうからな」
「!」
そう言って瀬津寿は『先ほどの話、良い返事を期待している』と言って去って行った。
「瑠火・・・」
亡き妻のことを想う、彼女は自分が亡くなった時、どうするだろうか?
自分と同じことをしただろうか?
いいや、絶対にしない。
愼寿郎は海野家に鎹鴉を送り、返答をした・・・『血の提供をする』と。
するとその翌日には那津蒔が来て当日と次の日に血を抜いていった。
聞けば千寿郎からも数日前に血を抜いたとのこと・・・結果、杏寿郎は瀕死の重傷を負って戻って来た。
香炉家が手術をしてその最中に提供した血液が使われたそうだ。
本来ならば、こんな父親は罵って当然だろうに・・・それでも杏寿郎は責めなかった。
瑠火を失って辛いのはあの子たちも同じなはずだ。
そして、こんな駄目親父の血液が息子を救う役に立った、あの子の命を繋いだ。
「すまないっ・・・すまんっ・・・」
愼寿郎は泣いた、買って来た酒に手を付けることもなく泣いていた。
自分は少しだけ父親らしいことをしただろうか・・・・。
続く