第27話 煉獄家
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この小説の夢小説設定鬼滅の刃のIFストーリー(もちろん二次創作)
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『頑張って、炭治郎ならできる』
「俺はもっと強くなります!地道に・・・足掻くしかない!今の自分にできる精一杯で前に進みます、どんなに苦しくても、辛くても・・・そしていつか杏寿郎さんや霧香さんみたいに『強い人』に必ずなります!」
「!」
千寿郎は思った、炭治郎は『強い』と・・・。
「私もずっと悩んでいました、本来兄の継子となり炎の呼吸を受け継がなければいけないのに・・・私の日輪刀は色が変わりませんでした。
ある程度の剣術を身につけないと日輪刀の色は変わらないものですが・・・どれだけ稽古をつけてもらっても、私は駄目だった。
でも、炭治郎さんの言葉に勇気を貰いました。
私も今、自分のできることを頑張ることにします」
――――――――――――――――
炭治郎が帰った後、千寿郎は愼寿郎の部屋にやってきた。
障子を開けると父は戻ってきていた。
「お戻りでしたか・・・あの先ほどの・・・」
「うるさい!!どうでもいい、出て行け!!」
兄の言葉を炭治郎から託され話そうとしたが怒鳴られて遮られてしまう。
「くだらん!!どうせ俺への恨み言だろう、わかりきっている!!さっさと出て行け!」
「・・・・・わかりました」
千寿郎は下がろうと思ったが、そのまま父の背中を見ていた。
「『体を大切にしてほしい』」
「!」
「兄上が父上に伝えてほしいと言った言葉はそれだけだそうです」
そう言うと千寿郎は本当に障子を閉めて去った。
「・・・・」
愼寿郎はただ考えていた。
『行ってまいります、父上』
快活に挨拶をしていた息子の姿が映る。
「・・・・・」
『愼寿郎殿―――』
「・・・・・」
『そなたは一体何になりたかったのだ?』
愼寿郎は数日前のことを思い出していた。
それは夜も遅い時間だった、千寿郎はとっくに寝ていたが愼寿郎は庭に気配を感じたので起き上がった。
「誰だ?」
「久しいな、愼寿郎殿」
「・・・・」
それは瀬津寿だった。
「何の用だ・・・」
「しばらくぶりに顔が見たくなってな、夜分にすまん」
「帰れ・・・こちらは顔など見たくもない」
「まあ、そう言わずに」
手に握った徳利を縁側に置くと座ってしまう瀬津寿。
「もう三年以上になるな、そんなに年が違わないのにそちらの方が老いているようにみえるぞ?」
「うるさい、千寿郎も寝ているんだ・・・これ以上俺が何かを起こさないうちに出て行け」
「ふーむ、それは困るな」
「何?」
「俺はお前の息子を助けたくて来たのだがな・・・」
瀬津寿の言葉に訝し気な顔をする愼寿郎。
「俺の息子を助けるだと・・・千寿郎のことか・・・」
「いいや、杏寿郎殿だ。
今回の任務、おそらく杏寿郎殿は生きて帰れぬかもしれん。長女と妻の先見の占いで悪い結果が出た。
それはぜひとも回避したいのでな、そなたにも協力してもらいたい」
「ふん・・・俺の知った事か」
愼寿郎は瀬津寿に背中を向けて寝転ぶ。
「才能もないのに剣士になったのはあいつだ、それで死んでしまうならば自業自得だ」
「・・・・・」
「才能がない者が何かを成すなどできるはずがない」
「愼寿郎殿―――」
「何だ?」
「そなたは何になりたかったのだ?」
ガバッ!!
勢い良く飛び上がった愼寿郎、対し落ち着いて酒を飲んでいる瀬津寿。
「俺には、そなたが『自分の無力さを子供にぶつけている』としか見えん。全く親としては見苦しいな」
「な、何だとっ・・・」
ズンズンと進み、瀬津寿の胸倉を掴む。
「貴様に何が分かる!?俺の一体何がっ!」
「『日の呼吸』」
「!?」
「悪いが戦国時代の記録は五大呪術家にも残っている、当時の様子は僅かではあるが記録されている」
「つっ・・・」
「『日の呼吸』から派生したのがそんなに不満か?逆に言えば『日の呼吸』がなければそなたたちは存在していなかった・・・違うか?」
「!」
「そして何よりそなたは自分のことをそもそも『何』だと思っていたのか?
『最強の剣士』だとでも思っていたか?それこそ甚だしい」
「貴様っ!」
ギリギリッ・・・
愼寿郎の力が強まる。