第27話 煉獄家
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この小説の夢小説設定鬼滅の刃のIFストーリー(もちろん二次創作)
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煉獄さんと霧香さんの手術は成功した、でも意識が戻らない。
今、二人は蝶屋敷と香炉家に別々に運ばれて様子を診ている。
蝶屋敷には煉獄さんのために香炉家から療養の薬が送られてくる、しのぶさんの指示で連日、煉獄さんの腕に打たれている薬に入れられて繋がれている。
二人とも重症のため、意識を取り戻すのに時間がかかるそうだ。
それに香炉家の人がいうにはあまり目覚めるのに時間がかかるとそのまま死んでしまうこともあるらしい。
〈煉獄さんのためにも伝えておいた方がいいよな・・・〉
炭治郎は煉獄家に向かっていた、理由はもちろん杏寿郎の言葉を家族に伝えるためだ。
炭治郎が内密に蝶屋敷を出た後、杏寿郎の鎹鴉の要が飛んできた。
〈煉獄さんの鴉だ・・・ありがとう、意を汲んで案内してくれてるんだな〉
後をついて行くと大きな屋敷に辿り着く、門前には杏寿郎そっくりの少年が掃き掃除をしていた。
「千寿郎・・・くん?」
「!」
名を呼ばれた少年は顔を上げた。
「あなたは・・・」
「俺は竈門炭治郎というものです、鬼殺隊のものです」
「つっ!兄は・・・兄は大丈夫なんですか!?」
千寿郎は箒を放り出して炭治郎に駆け寄る。
「手術は成功しました、ただ・・・意識が戻りません」
「!」
「手術を担当したお医者さんの話では、長い時間目を覚まさないようなら、そのまま・・・」
「・・・・」
千寿郎の顔が歪む。
「煉獄さんから『もしも』の時にと千寿郎くんとお父上に言葉を預かりましたので・・・俺が来ました」
「兄のことは覚悟しているつもりです・・・でも、その前にあなたは大丈夫ですか?顔色が真っ青ですよ?」
「千寿郎!!そんなやつの言葉に耳を貸す必要はない!」
屋敷の中から怒鳴り声が聞こえる。
「杏寿郎はどうせ下らんことを言い遺しているんだろう!大した才能も無いのに剣士になるからだ!だからそんな目に遭うんだ!
くだらない・・・愚かな息子だ、杏寿郎は!!」
怒鳴り声の主はこれまた杏寿郎に似た、されど年を重ねた男だった。
「人間の能力は生まれた時から決まっている、才能ある者は極一部、あとは有象無象だ!!何の価値もない塵芥だ!!
杏寿郎もそうだ、大した才能もなかったから生死の世界を彷徨うことになるんだ!どうせすぐに死ぬだろう!」
「ちょっと!」
炭治郎は怒りが込み上げた、何で杏寿郎がここまで言われなければならないのだ。
「あまりにも酷い言い方だ、そんな風に言うのはやめてください!!」
杏寿郎に似た歳を重ねた男・・・父親の愼寿郎は炭治郎を一瞥するとあるものが見えた。
耳飾りだ、気づいた時には持っていた酒瓶を落としていた。
「お前・・・日の呼吸の使い手か!そうだろう!」
「『日の呼吸』?何のことですか?」
すると急に愼寿郎に地面に叩きつけられた、素人の動きではない、反応できなかった。
「父上!止めてください!
その人の顔を見てください、具合が悪いんですよ!!」
「うるさい!黙れ!!」
愼寿郎は千寿郎を叩く。
「いい加減にしろッ!この人でなし!!」
それを見た炭治郎は怒りの頂点を迎えて、愼寿郎を蹴り飛ばした。
「さっきから一体何なんだ、あんたは!!我が子が命を落としそうなのに侮辱して!死ぬと決めてかかって!殴って!何がしたいんだ!!」
「お前・・・俺たちのことを馬鹿にしているだろう?」
炭治郎の問いに答えない愼寿郎。
「どうしてそうなるんだ!何を言っているのかわからない!!言いがかりだ!!」
「お前が『日の呼吸』の使い手だからだ、その耳飾りを俺は知っている!書いてあった!!
『日の呼吸』は始まりの呼吸・・・一番初めに生まれた呼吸、最高の御技!そして全ての呼吸は『日の呼吸』の派生!
全ての呼吸は『日の呼吸』の後追いに過ぎない!『日の呼吸』の猿真似をし劣化した呼吸だ、火も水も風もすべてが!!
『日の呼吸』使い手だからといって調子に乗るなよ、小僧!!」
「!」
調子に乗る・・・誰が・・・・
「・・・いだろうが」
「?」
「・・・・」
炭治郎が俯いたので訝しむ二人。
「乗れるわけないだろうが!!
俺が今、どれだけ自分の弱さに打ちのめされてると思ってんだ!このクソ爺!!」
「!」
「俺が強ければ煉獄さんも霧香さんも・・・こんなことにはならなかったんだああぁぁ!!」
愼寿郎に掴みかかる炭治郎。