第26話 生存
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この小説の夢小説設定鬼滅の刃のIFストーリー(もちろん二次創作)
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「霧香さん・・・・?霧香さん・・・っ!!」
炭治郎は泣きながら意識を失くした霧香を抱きしめている。
しかし呼びかけても目を開ける様子はない。
「こんなこと・・・何で霧香さんが、こんな・・・」
炭治郎は信じられなかった、数刻前に笑顔で話していた姉弟子が今はもう動かない。
「ふっ、ううぅぅ・・・ああああぁぁっ・・・あああああああっ!!」
抱き締めて大声で泣いている。
「竈門少年・・・」
「煉獄さんっ」
炭治郎の元へ伊之助に肩を貸してもらって歩いてくる杏寿郎。
「大丈夫なんですか・・・」
「いや・・・俺も重症だ、ここまで来ることも正直厳しい・・・」
「じゃあ、休んでてください!俺が医療班を呼んできます!」
「いいや、俺も意識がもう保たない・・・だから俺の話も聞いてくれないか?」
「え?」
「夢を見ていた時、思い出した事があるんだ・・・俺の生家、煉獄家に行ってみるといい。
歴代の炎柱が残した書記があるはずだ、父がよく読んでいたが・・・俺は読まなかったから内容はわからない。
そこに君の言っていたヒノカミ神楽について何か、記されているかもしれない。
それから家族へ伝えてくれ――・・・
弟の千寿郎には『自分の心のまま、正しいと思う道を進むように』、父には『体を大切にしてほしい』と」
「そんな・・・煉獄さん、遺言みたいに言わないでくださいっ!霧香さんも助かります!俺が助けます!
伊之助!どんぐり丸に頼んで天樹門・香炉家を呼んできてくれ!早く!」
「お、おうっ!」
伊之助はどんぐり丸を呼んで急いで向かわせる。
「これでもう大丈夫です!煉獄さん、もう大丈夫ですから・・・!」
「竈門少年・・・」
泣いている炭治郎の肩に手を置く杏寿郎。
「俺は君の妹を信じる、鬼殺隊の一員として認める・・・汽車の中であの少女が血を流しながら人間を守るのを見た。
命を懸けて鬼と闘い、人を守る者は誰が何と言おうと鬼殺隊の一員だ・・・胸を張って生きるといい・・・心を燃やせ、自分の心の中の炎を絶やすな。
そして竈門少年、猪頭少年、黄色い少年、もっともっと成長しろ、もっと強くなるんだ・・・」
そう言うと杏寿郎は倒れた。
「煉獄さん?・・・・・煉獄さんっ!!」
信じられなくても自身の前には姉弟子と慕う背中の男が倒れている。
「炭治郎・・・」
「善逸・・・」
「二人とも、死んじゃったのか・・・?」
「わからない・・・」
「でも、倒れてんじゃん・・・動かないじゃん・・・」
「・・・うん」
禰豆子を箱に入れた善逸がやってきた。
「本当に上弦の鬼が来たのか・・・?」
「・・・・うん」
「何で来るんだよっ・・・そんな強いの?」
「うん・・・」
善逸が霧香と杏寿郎の姿を見る、二人とも壮絶な戦いをした痕跡が体のあちこちにある。
「悔しいなぁ・・・何か一つできるようになっても、またすぐ目の前に分厚い壁があるんだ。
凄い人はもっとずっと先の所で戦っているのに、俺はまだそこに行けない。
こんなところで躓いているような俺は・・・二人みたいになれるのかなぁ・・・」
「んなこたぁ、目覚めた二人に聞け!ガキッ!」
「「「!?」」」
泣きながら弱音を言っている炭治郎を一喝する声が響く。
目の前には男が立っている、そして傍らには・・・。
「鬼!?」
「野郎!新手か!」
冗談じゃない、この状況で新手なんか来たら防ぎようがない。炭治郎は冷や水を浴びせられたように背中が寒くなる。
しかし、男は向かってきた伊之助を避けて膝蹴りをくらわせる。
「ぐっ!」
普段はどんなに打撃を受けても平然としている伊之助が蹲っている。
「落ち着け、お前(伊之助)と箱背負ってるお前、香炉家がもうじき来る、列車の方に待機してろ。到着したら手伝え」
「え・・・」
どんぐり丸を飛ばしてからそんなに経っていないのにもう香炉家が着くという、この男は一体・・・。
「早くしろ!煉獄と霧香が本当に死んじまうぞ!!」
男の声にすっと立ち上がると『ダダダダッ!』と走り出す二人、それを見届けると男は霧香の傍に膝を折る。
「あ、あの・・・」
「俺は海野那津蒔、当主に言われてここに来た。香炉家はこっちがあらかじめ手配済み、応急処置をするからそこに二人寝かせろ」
「海野・・・ってことは・・・」
「早く寝かせろ」
「は、はいっ!」
言われた通りに霧香をゆっくり寝かせた。
「黒椎、紅虎」
「「はっ!」」
二人の鬼は自分の腕を刀で切りつけた。
「「波流門連携鬼術・『血津染め(ちづぞめ)』」」
「な、何してるんですか!?」
鬼の血を浴びたら人間は鬼になってしまう、炭治郎が手を出そうとする。
「鬼にはならねェよ、応急処置だって言ったろうが」
那津蒔が炭治郎の手を掴んで払いのける。