第25話 上弦の鬼
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この小説の夢小説設定鬼滅の刃のIFストーリー(もちろん二次創作)
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それは突然やってきた。
「上弦の・・・参」
そう、今まで戦って来た下弦の鬼の上に立つといわれる強者。
『上弦の鬼』
彼の目には『参』の文字が記されている。
「・・・・」
上弦の鬼は着くや否や炭治郎を狙ってくる。
〈炎の呼吸・弐の型――・・・『昇り炎天』〉
杏寿郎が素早く反応し、鬼の左拳を裂いた。
〈雪の呼吸・伍の型――・・・『雪ばしり』〉
「!」
白い一閃にある程度距離を取らされる。
「「・・・・」」
二人は上弦の前に出て炭治郎を庇う体勢を取る。
杏寿郎の日輪刀によって裂かれた腕はあっという間に再生し、傷も跡形もない。
「良い刀だ」
圧迫感と凄まじい鬼気、今まで遭遇してきた鬼とは違う。
「何故、手負いの者から狙うのか理解できない」
「『話の邪魔』になるかと思った、俺とお前、そしてそこの女と」
「お前と俺たちが話をする?初対面だが俺は既に君のことが嫌いだ」
それを聞くと鬼は『ニヤリ』と笑う。
「そうか、俺も弱い人間は大嫌いだ。弱者を見ていると虫唾が奔る」
「では、もう話すことはない。私たちとあなたとでは物事の価値基準が違い過ぎる」
『弱い人間が大嫌い』、『弱者を見ると虫唾が奔る』、この言葉に少し怒りが湧いている霧香。
「そうか、では素晴らしい提案をしよう・・・お前たちも鬼にならないか?」
「ならない」
「同じく」
即答した二人。
「見ればわかるのさ、特にお前・・・」
鬼は杏寿郎を見る。
「柱だろう?その闘気、練り上げられている、至高の領域に近い!
そして女、お前も相当強い闘気を宿している、しかしまだ修練が満たされていない。
これからもっと強くなることができる、そうすれば柱のように至高の領域にいけるぞ!」
「「・・・・」」
「お前たちの名を聞いておこうか」
「俺は炎柱・煉獄杏寿郎だ」
「私は波流門海野家の霧香、今は鬼殺隊の隊士だ」
「俺は猗窩座だ。
杏寿郎、霧香・・・何故お前たちが至高の領域に踏み入れられないのか、教えてやろう。
人間だからだ、老いるからだ、死ぬからだ―――、鬼になろう、二人とも。
そうすれば百年だろうと二百年だろうと鍛錬し続けられる、強くなれる」
この鬼は『強さに執着している』、それ故、弱者を否定する。
杏寿郎と霧香には、やはり理解ができないことだ。
「老いることも、死ぬことも、人間という儚い生き物の美しさだ。
老いるからこそ、死ぬからこそ、堪らなく愛おしくなる、そして尊いのだ」
「そしてあなたは『強さ』の考え方を誤っている、『強さ』というのは、身体能力に対してのみ使う言葉じゃない。
人間は『弱者』じゃない、もちろんここにいる竈門炭治郎も・・・それ以上侮辱するのは許さない」
「やはり、霧香の言う通り・・・君と俺たちでは価値基準が違い過ぎるな。
俺たちはいかなる理由があろうとも鬼にはならない」
「そうか」
猗窩座の足下に陣が広がる。
「術式展開―――、破壊殺・羅針!」
〈雪の陣?〉
「鬼にならないなら殺す」
「!」
猗窩座が迫ってきた。
「炎の呼吸・壱の型――『不知火』!」
「!」
猗窩座は攻撃を避けて、今度は杏寿郎に狙いを定める。
「そういえば今まで倒してきた柱たちに炎はいなかったな!そして俺の誘いに頷く者もいなかった!」
「・・・・」
「何故だろうな?同じ武の道を極める者として理解しかねる、選ばれた者しか鬼にはなれないというのに!」
猗窩座の攻撃を避け、受け流しながら会話に耳を傾ける杏寿郎。
「素晴らしき才能を持つ者が醜く衰えてゆく、俺はつらい、耐えられない」
「うおおおっ!」
猗窩座の拳を刀で払う、斬り落とされるがまた再生する。
「死んでくれ、杏寿郎・・・若く強いまま!」
「つっ!!」
再生した拳でまた攻撃をしてくる猗窩座。
「炎の呼吸・弐の型――『昇り炎天』!」
斬撃を繰り出して距離を取る杏寿郎。
「破壊殺・空式」
空中で構える猗窩座、腕から青い光の砲弾を連発してくる。