第24話 二輪
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この小説の夢小説設定鬼滅の刃のIFストーリー(もちろん二次創作)
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すると炭治郎の近くに魘夢だった肉片が転がてくる。
〈体が崩壊する・・・再生できない・・・〉
ボロボロッ・・・と体が塵と化す。
〈負けたのか?死ぬのか?俺が・・・?馬鹿な・・・馬鹿な!!
俺は全力を出せていないっ!!人間を一人も喰えなかった・・・汽車と一体化して一度に大量の人間を喰う計画が台無しだ!!
こんな姿になってまで・・・!!これだけ手間と時間をかけたのに・・・!!〉
もはや口も無いのに唇を噛み締めたい衝動に駆られる魘夢。
〈アイツらだ・・・あの赤い鬼狩りと白い鬼狩りのせいだ!!
二百人も人質に取ったようなものなのに、それでも押された、抑えられた・・・これが柱の力か?五大呪術家の力か?
アイツ・・・アイツも速かった、術を解ききれてなかったくせに・・・!
しかもあの娘、鬼じゃないか!何なんだ!
鬼狩りに与する鬼なんて・・・どうして無惨様に殺されないんだ!〉
もう残る体も少なくなる。
〈そもそも・・・あのガキに術を破られたことがケチのつき始めだ、あのガキが悪い・・・!
あのガキだけなら殺せたんだ!だがあの猪頭の鬼狩りがいたせいで頸の場所が知られた!おまけにあんな馬鹿力女とすばしっこい小さい鬼狩りが助けに来るなんてっ・・・!
くっそ・・・あいつだけは、あの・・・ガキだけは、殺してやるっ・・・!〉
ズルズルと体を這わせながら炭治郎に進む魘夢。
ドスッ!!
「!」
「それ以上はさせない、お前みたいな悪鬼は消えろ」
肉片から手を伸ばした魘夢を霧香が頭上から突き刺した。
「があ・・ああっ・・・」
「同じ鬼でもお前は響凱とは遥かに違う・・・『反吐が出るほど最悪な鬼』だ」
霧香は日輪刀を持ち換えて、最後の肉片を斬り払った。
〈負けるのか、死ぬのかァ・・!!ああああ、悪夢だあああ・・・悪夢だあああっ・・・鬼狩りに殺され続けるのは、いつも底辺の鬼たちだ〉
魘夢は無限の空間の無惨の言葉を思い出す。
上弦の鬼はここ百年顔ぶれが変わらない、常に柱を殺してきたのはその上弦たち。
自分は才能を見込まれ無惨の血を大量に分けてもらった筈なのにこの為体・・・。
〈ああ・・・なんという惨めな悪夢、だ・・・〉
「・・・・・」
魘夢が消えるのを見届けた霧香は杏寿郎に声をかける。
「炭治郎はどうですか?」
「うむ、全集中の常中ができるようだな!感心感心!常中は『柱へ』の第一歩だ!
『柱になるまで』は一万歩あるかもしれないがな!」
「頑張ります・・・」
杏寿郎は炭治郎の負傷を見る。
「腹部から出血している。
もっと集中して呼吸の精度を上げるんだ、体の隅々まで神経を行き渡らせろ。
血管がある、破れた血管が・・・」
「ハア・・・ハア・・・・」
「もっと集中しろ」
「ハア・・・ハア・・・つっ!」
体が脈打つ。
「そこだ、止血、出血を止めろ」
杏寿郎に言われるまま血管を閉じさせようと力む。
「集中」
僅かに集中が解かれ呼吸が浅くなるが杏寿郎に再度忠告される。
「つっ・・・ぶはっ!はあっ、はっ・・・?」
「うむ!止血できたようだな!呼吸を極めれば様々なことが出来るようになる何でもできるわけではないが・・・昨日の自分より確実に強い自分になれる」
「はい・・・」
杏寿郎は嬉しそうに笑う。
「炭治郎」
「霧香さん・・・」
「良かった、そして倒したんだね、十二鬼月を・・・」
「はい・・・」
炭治郎の傍らに座る霧香。
「よく頑張ったね、凄いよ」
「っ・・・はいっ・・・」
「乗客も全員無事だよ、怪我人は多いけど大丈夫、炭治郎はもう少しここで・・・つっ!」
「!」
休息の言葉を飲み込んだ霧香。
何かが近づいてくる、とても禍々しく強い何かが・・・。
続く