第24話 二輪
名前変換
この小説の夢小説設定鬼滅の刃のIFストーリー(もちろん二次創作)
詳しくは設定、注意書きをお読みください。
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
スウウゥゥ―――
「光の呼吸・参の型!」
呼吸を集中させたアカリが刀を下段から上段に斬り払う。
「『昇り陽(のぼりび)』!」
強く太い一撃が残りの肉を抉り飛ばす。
「さあ、最後は君の役目よ。お館様との約束を果たしなさい」
「っ!はい!」
『十二鬼月を一人倒すこと』、裁判で輝哉に言われたこと、妹と自分を認めてもらえるための目標。
炭治郎の呼吸が火を噴く。
〈父さん、守ってくれ!この一撃で骨を断つ!
―――ヒノカミ神楽・碧羅の天(へきらのてん)!!〉
ゴガッ!!
「ギャアアアアッ!!」
先頭車両の頸の骨が真っ二つに斬られると魘夢の断末魔が聞こえる。
「「!」」
それは後方車両にいた霧香や杏寿郎にも聞こえていた。
そして急に汽車が大きく揺れた。
「きゃあ!」
「霧香!」
汽車は横転し、停止した。
幸いにも魘夢の剥きだしの肉が衝撃を吸収して大事故にはならなかった。
「・・・っ」
「大丈夫か?」
「はい、何とか・・・」
霧香も車両の外には投げ出されたものの杏寿郎が庇ってくれたおかげで助かった。
「怪我はないようだな、良かった!」
「ありがとうございます、煉獄さんのおかげです」
「何のこれしき!ハハハッ!」
さすが柱というべきか人間一人庇ってもケロリとしている。
「列車が止まったということは、炭治郎が・・・」
「ああ、やったようだな!行くぞ!」
「はい!」
――――――――――――――――
その頃、炭治郎は投げ出された先で動けずにいた。
「三太郎!大丈夫か!?」
伊之助が駆けつけてくる。
「しっかりしろ!鬼の肉で『ばいんばいん』して助かったぜ!」
「もっと他に言い方ないのかしら、この猪頭は・・・」
「まあまあ、アカリ。助かったんだから良いじゃないの、炭治郎くん、お腹の傷は?」
「何とか・・・大丈夫です・・・伊之助や二人は?」
「元気いっぱいだ!風邪もひいてねえ!」
『風邪ひくのはお前だけだっての!』と内心ツッコんでいるアカリ。
「頸の近くにいた運転手は・・・?」
「・・・・・アイツ、死んでいいと思う!」
「よくないよ・・・」
「お前の腹を刺した奴だ!あいつは足が挟まって動けなくなってるぜ!
足が潰れてもう動けねぇ!放っとけば死ぬ!!」
炭治郎が刺されたことへの伊之助の精一杯の怒りの言葉だろう、だからと言って『死んで良い』は無いと思うが・・・。
「だったらもう十分罰は受けてる・・・琴乃さん」
「?」
「彼を・・・助けて下さい、俺はしばらく体が動きそうもないので・・・」
「・・・・・」
琴乃も正直この運転手を許す気にはなれなかった、しかも炭治郎は自分を庇って刺されたのだ。何より自分が不甲斐ない。
「お願いします・・・」
「わかったわ・・・確かに彼は『君の腹』以上の代償を払ってる、もう十分よね」
「ありがとうございます・・・・」
「・・・・お疲れ様、人命救助は私たちでするわ、鎹鴉も飛ばして医療班の手配もしてあるし、到着するまでそこで休んで待つと良いわ」
琴乃は伊之助とアカリを連れて車両に残された乗客の救助に向かった。
炭治郎は安心して呼吸を整えた、気づけば夜空が少し明るくなっている。