第24話 二輪
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この小説の夢小説設定鬼滅の刃のIFストーリー(もちろん二次創作)
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「血鬼術――、強制昏倒催眠・『眼(まなこ)』」
奮闘している炭治郎たちに魘夢の血鬼術が発動する。
〈眠らされるっ!〉
眠りに強制的に落とされる術を前に炭治郎はあらん限りの声で叫んだ。
「伊之助、夢の中で自分の頸を斬れ!覚醒する!!」
炭治郎は最初に夢から覚醒した方法を伝えた、夢の中で父が教えてくれた方法を・・・。
しかし、覚醒したものの周囲は魘夢の無数の『眼』があるため、また夢の中に落ちてしまう。
〈どうすればいいんだっ・・・このままじゃ、禰豆子たちや煉獄さんたちが・・・〉
再び血鬼術にかかるかと思われた時・・・。
「光の呼吸・伍の型――・・・『一線一瞬(いっせんいっしゅん)』!」
「!」
まばゆい光が目の前に現れる。
「な、何だ!?」
伊之助も突然のことに驚いている。
「やっほ~!お二人さん!元気にしてたかしら~!」
「「!」」
その声にハッとした、二車両目の屋根に琴乃とアカリがいたからだ。
さらに風通しが良くなっていると思えば先頭車両の屋根がない。
「ごめんなさい、誰がどこにいるのか見えないから屋根、斬り落としっちゃったわ」
『アハハ』と笑っている琴乃。
「それを何で私にやらせるのよ!自分でやればよかったじゃない!」
「だってアカリの方が早いじゃな~い」
「アンタの馬鹿力でもどうにかなるでしょうが!!」
相変わらずの二人のやり取り、そして今の光の攻撃で魘夢の『眼』が全部閉じている。
「琴乃さん!アカリさん!来てくれたんですね!」
「ええ、着くのが遅くなって申し訳ないわ!」
「いいえ!心強いです!」
「だいたいのことは杏寿郎様から聞いたわ!それで鬼の頸は見つかったの?」
「はい!この下に・・・つっ!」
そこへ光の効果が薄れたのか『眼』が開眼し始める。
「この『眼』を見たらダメです!敵の鬼の血鬼術です!」
「それで手こずっているのね!わかったわ、炭治郎くん!そっちに行くから少し下がっていてもらえるかしら?」
「え、は、はい!」
炭治郎が下がると琴乃は着地して印を結ぶ。
ギョロギョロッ・・・
魘夢の『眼』は焦点が定まらないながらも開眼している。
「夢は夢でも悪夢はお断りよ、そんなに悪夢が好きなら自分で見なさい!『権現門結界術・拮石(はねいし)』!」
『眼』の全部に呪印が浮かんだかと思うと、血走り、眼を見開いて悶え始める。
「な、何だ?」
「何をしたんですか?」
「あの鬼の『眼』全部に見えない膜を張ったの、可哀そうに・・・自分の術を自分で受けることになるわ」
『拮石(はねいし)』は波流門の『無攻鏡(むこうかがみ)』と似ているが、術を外に出さない『無攻鏡』に対して、『拮石』は出した術が己に返って来るのだ。
石を蹴った時に障害物に跳ね返されて自分に返って来るのと同じように・・・。
「これで邪魔はなくなったわ、炭治郎くん、今なら斬れる?」
「っ・・・いえ、実は・・・つっ!危ない!!」
「!」
「夢の邪魔をするな!!」
運転手が琴乃に突進して来たのを炭治郎が庇う。
「炭治郎くんっ!」
「だいじょ・・ぶ・・ですっ!」
腹に刃物が刺さっているにも関わらず、炭治郎は運転手を昏倒させた。
「喋らないで!血が余計に流れる!」
「早く頸を斬らないと、善逸たちが保たないんです・・・でも、頸の周りの肉が多過ぎるのと再生力が早すぎて・・・」
「あら!ならいい案があるわよ!」
「え?」
「伊之助くんも手伝ってくれる?」
「お、おう・・・」
ニッコリ笑う琴乃は屋根の上にいるアカリにも声をかける。
「何をするっていうのよ?」
「要するに再生時間を遅らせればいいんでしょ?」
「ああ~・・・」
言っている意味を理解したようだ。
「じゃあ、お願いね~!」
炭治郎を抱きかかえて屋根に上がる琴乃。
「ったくもう・・・伊之助!さっさとそこを攻撃しなさい!」
「カッチーン!俺に命令すんな!言われなくてもしてやらァ!!」
「だったら早くしなさいよ!!」
「わかっってんだよ!黙ってろ!!
獣の呼吸・肆の牙――・・『切細裂き(きりこまざき)』!!」
伊之助の斬撃で肉が抉れる。