第23話 悪夢
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この小説の夢小説設定鬼滅の刃のIFストーリー(もちろん二次創作)
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「では、早速いただこうか!」
列車に乗車出来た杏寿郎は弁当屋からもらった牛鍋弁当を取り出す。
「そうですね」
差し出してきた弁当を受け取り、割り箸を割る。
「いただきます」
蓋を開けると牛肉の良い匂いがする、一口食べると顔が緩んでしまうくらい美味しい。
「うまいか?」
「はい、とっても」
「うむ、では、俺もいただこう!」
杏寿郎も箸で掬い、口に運ぶ。
「うまい!」
杏寿郎の声が列車に響いた。
――――――――――――――――
同じ頃、蝶屋敷で機能回復訓練を終わらせた炭治郎、善逸、伊之助が無限列車に乗り込んでいた。
目的は霧香と同じく杏寿郎と合流して無限列車に潜む鬼を討伐するためだ。
「炎柱だっけ?その煉獄さんって人・・・顔はわかるのか?」
「うん、派手な色の髪の人だったし、匂いも覚えているから」
三人の中で杏寿郎と面識があるのは炭治郎だけである、そのため彼が先頭を歩き、探すことになった。
「近づけばわかると思うよ」
そう言って違う車両を仕切っている戸を引こうとした時・・・。
「うまいっ!」
「「「!?」」」
戸を挟んだ向こうの車両から声が響いてくる。
「・・・・・」
「あわわわっ・・・な、何!?今の何!?」
炭治郎と伊之助はポカーン、善逸はあまりの声量にビビっている。
「うまい!うまい!うまい!」
戸を開けて見てみればなにやらムシャムシャと食べながら「うまい!」と叫んでいる男が一人。
「うまい!うまい!うまい!うまい!うまい!」
弁当を口に運ぶ度に「うまい!」と言っている人物の後ろ姿を見た時、炭治郎は誰だが分かった。自分たちが探している炎柱・煉獄杏寿郎だ。
そしてその杏寿郎の向かい側にはこれまた見覚えのある人物が・・・。
「うまっ・・・んぐっ!」
「食べるか、喋るかどちらかにしてください、煉獄さん。行儀が悪いですよ」
また叫びそうになる杏寿郎の口を手で防いだのは炭治郎の姉弟子の海野霧香だった。
「霧香さん?」
「あれ?炭治郎・・・善逸くん、伊之助くんも」
「霧香さ~ん!お久しぶりですぅ~~!」
善逸は身体をくねらせる。
「久しぶりだね、三人とも体調は良くなったの?」
「は~い!この通り~!ところで霧香さ~ん!」
「ん?」
「この人が炎柱の煉獄さんですか?」
「そうだよ」
「ただの食いしん坊じゃなくて?」
「残念ながら本人です」
未だに杏寿郎の口を手で制して答える霧香。
まあ、無理もないだろう・・・・杏寿郎の隣りや霧香の座席の隣りには既に杏寿郎が完食したであろう弁当箱の空箱が積み上げられていたのだから。
そして口から霧香の手が離されたのでまた弁当を口に運ぶ。
「うまいっ!」
「美味しいのはわかりましたから早く食べちゃってくださいね、煉獄さん」
食べ終わった空箱を片付けてもらった後(どこかのメイドさんたちに)、改めて自己紹介をする炭治郎たち。
「海野少女は彼らと知り合いなのか?」
「はい、炭治郎は私の弟弟子です」
「よもや!」
「禰豆子ちゃんのことも覚えていらっしゃいますか?」
「うむ、あの時の鬼だな。お館様のお決めになったことだ、もはや何も言うまい」
杏寿郎は自分の横の窓側の席を叩いた。
「ここに座るといい」
「え?でも・・・」
「禰豆子ちゃんの箱は私の隣りに置いていいよ」
言葉に甘えて禰豆子の入った箱を霧香の横の席に置かせてもらい、杏寿郎の隣りに着席した炭治郎。
善逸や伊之助には反対側の席に座ってもらった。
「君たちは何故ここにいる?任務か?」
「はい、鎹鴉の伝達で無限列車の被害が拡大しているので現地にいる煉獄さんと合流するように命じられました」
「じゃあ私と一緒だね」
「え?霧香さんも?」
「うん、本当は華陽隊全員に指令が来たんだけど他の二人は別の任務で遅れてるんだ。だから私は一足早く煉獄さんと合流したの」
「そうだったんですね、また霧香さんと任務につけるなんて嬉しいです!」
「こちらこそ、よろしくね。炭治郎」
この笑みだ、この笑みに炭治郎は安心感を貰えるのだ。