第22話 合流
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この小説の夢小説設定鬼滅の刃のIFストーリー(もちろん二次創作)
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「では、お言葉に甘えて少し横にならせていただきます」
「うむ」
羽織を脱いで枕にし、横になる霧香。
初日で柱との合同任務ということもあり緊張していたのだろう、少し経つと寝息を立てている。
「・・・・・」
杏寿郎は寝顔を眺めていた。
「霧香・・・」
無防備に寝息を立てているのが可愛らしくて、つい目が離せなくなってしまう。
〈よもや、色事とは無縁だと思っていた俺がこんな感情を持つとは・・・〉
同じ柱で元継子の甘露寺にもこんな感情は抱かなかったのに・・・・彼女は不思議だと、杏寿郎は改めて思う。
そして昨夜見た彼女の呼吸・・・白とも銀とも見える刃から雪が舞った。
雪はとても儚く、されど力強く鬼の頸を刎ねた。
そして雪の中の彼女はとても幻想的だった。
「早く君に伝えたい、俺が君をどう想っているかを・・・」
炎柱の羽織を霧香に掛けて杏寿郎は自分も横になり、数刻の休息を取った。
――――――――――――――――
そして夕方、二人は駅に向かった。
「あの!」
「「?」」
声をかけられた方を見ると福とその祖母が立っていた。
「やあ、弁当屋さん」
「今朝の事は何とお礼を言って良いのか・・・」
「いいえ、無事で何よりでした。あなたたちを救うことが出来て私たちも嬉しいです」
霧香がニッコリと笑いかけた。
「これをどうぞ」
祖母が弁当を手渡してくる。
「私たちにはこんなことしかできませんが・・・」
「いいんですか?」
「もちろんです、あなたがたは私と孫の命の恩人です」
「うわ~!ありがとうございます!実は気になってたんですよ!!」
ホクホク顔で受け取る霧香。
「昨夜は鬼の出現で食べ損ねたからな、これは実に嬉しい!」
杏寿郎も嬉しそうに受け取った。
「しかし、代金は払おう!」
「いいえ!とんでもないです!お気持ちだけ受け取ります」
あくまで『お礼』と言って断る二人。
「うむ、ではこの二つはお礼としていただくとして・・・その箱に入っている弁当は全て買おう!」
「ええぇ―――っ!!?」
『またか・・・』という顔をしている霧香。
杏寿郎は本当に弁当を買い占めてしまい、風呂敷に包み、持ち上げる。
「お気をつけて」
「近くに来たらまた寄って下さいね」
「ええ、必ず!」
「あなた方のことは父に必ず伝えます、きっと喜ぶことでしょう。ではお元気で、また会いしましょう!」
弁当屋の二人は改札から見えなくなるまで杏寿郎と霧香を見送っていた。
「ご夫婦でいつでもいらしてくださいねっー!」
「「っ!?」」
福の声が駅の中に響く、見れば祖母も一緒になって手を振っている。
二人は軽く礼をして列車に乗り込んだ。
無限列車は動き出す、八両の箱に多くの人を乗せて・・・。
続く