第22話 合流
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この小説の夢小説設定鬼滅の刃のIFストーリー(もちろん二次創作)
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「辰坊!」
「危ない、下がっていろ」
二人は刀に手をかけると同時に工員たちが前に出ない様に言い含める。
「お館っ・・・!」
「鬼狩りか?」
「なんだよ・・・せっかく、飯時だってのによォ」
「少年を放せ」
鬼は二人。
一人が少年を抱えており、もう一人は今自分たちの前に尻もちをついている男を狙おうとしていたようだ。
「偉そうにしやがって―――・・・うぐっ!」
こちらを睨んできた鬼たちだが何やら顔を歪めた。
「何だこの匂いはっ――・・・!くせぇ!!」
「ううぅ・・・これか、くそっ!!」
そう吐き捨てると駅弁を足で踏み潰した。
「「!」」
「鬼になってからこっちは人間の食い物が気色悪くて仕方がねぇ・・・」
「俺の知る人々が丹精込めて作った物だ、聞き捨てならんな」
「不味いものは不味いんだよ、それにこいつも―――・・・不味そうな血の匂いがするぜ小僧」
「だったら早く放しなさい、そもそも人間は食べるものじゃない」
霧香も怒っているようだ。
「ハハハッ!鬼狩りが今更何を言ってやがる!
鬼は人間を喰うもんなんだよ!一番の喰いものは『人間』なんだよ!
だが、生憎俺は『美味い人間』なら喰うが『不味い人間』は夜通し痛めつけて楽しむんだ」
鬼は『ニタァ・・・』と笑う。
「そういうことか、切り裂き魔・・・不愉快な奴だ」
「ヒヒヒッ・・・悔しかったら、俺を斬ってみろ!!」
そう言うと鬼は凄い速さで移動する、二人の距離をスレスレに移動している。
「俺たちを止められたヤツは一人もいねぇ・・・俺が一番、速いッ!!」
杏寿郎が刀を抜いて斬りかかるが空ぶる。
「悪いな、このガキを抱えたままじゃ満足に斬れねぇよな?一思いにやっちまうか?」
鬼が少年の腹に喰い込ませた指に力が入る。
「助けてっ・・・」
少年は涙ながらに訴えてくる。
「心配するな、君は俺たちが助ける!」
「できるかな?昨日だって若い女のガキを夜通し飽きるまで痛めつけたんだ」
「お前たちの速さは確かにわかった、しかし・・・過信し過ぎないことだ。
昨夜は俺たちが来たために逃げたと思っていたが、お前たちは『感知すること』ができなかったようだな」
「何だと?」
「昨夜、お前に傷つけられた女性は我々の仲間が迅速に処置を行ったため、死に至ることはなかった。傷跡も残らずに回復するだろう」
「あ~あ、だから早く喰っちまえばよかったのによ・・・お前が止めたせいだぜ」
「だから何だ?生き延びたとしてもその女は恐怖に一生囚われながら生き続けることになるだろうぜ」
「そうはさせん!癒しがたき心の傷も我々が時間をかけて手当てしていく!」
鬼は杏寿郎のブレない言葉に嫌そうに顔を歪めた。
「そうかい、じゃあ今度こそ恐怖が拭いきれない様に俺がその女を殺しに行ってやるよ」
「彼女の身柄は隠している、見つけ出すことは不可能だ」
「っ・・・」
鬼はふと、足元にある駅弁を見る。
「だったらその弁当売りだ」
「俺たちとは関係のない人たちだ」
「知り合いなんだろう?それ、どこの駅弁か分かるぜ、ククククッ!」
「やはりお前たちは不愉快だ・・・」
「こっちは愉快だぜ?弁当売りを助けたかったら俺たちよりも早く来ることだな・・・だが、まずはこのガキを殺してからだ!!」
「つっ・・!」
爪が少年の胸を引き裂こうとした瞬間・・・・。
「ゴガッ!?」
「・・・・」
霧香が鬼の後ろに周り、横蹴りを鬼の頭にくらわせていた。
「!」
そして杏寿郎が日輪刀で鬼の両手を斬り落とす。
「この女(アマ)っ・・・つっ!」
相方が腕を斬られたことに動揺して霧香を見失うと踵落としが降ってきた。
「チッ・・・行くぞ!」
「つっ・・・くそっ!」
鬼たちは線路に逃れる。
「へへっ・・・お先に!!」
そう言い残し、あの弁当売りの少女と老婆の元へ駆けていく。
「頼むっ、助けてくれ!」
「大丈夫だ、俺に任せろ」
傷を負った少年の応急処置をしている杏寿郎。
「煉獄様!」
要に案内されてきた隊員が駆けつける。
「医療班は?」
「向かっています」
どうやら心配はないようだ。
「煉獄さん」
「ん?」
「私は一足先にあそこに向かいます、医療班が到着してから煉獄さんは来てください」
そう言うと呼吸をする霧香。
〈全集中・・・〉
「あ、待て!海野少女!」
声をかけても遅く、そこにもう霧香の姿はなかった。