第20話 鬼灯(ほおずき)
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この小説の夢小説設定鬼滅の刃のIFストーリー(もちろん二次創作)
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ところで二人とも、響凱に何か用があったの?」
「いいや、何にもねーよ?ただ退屈してんじゃねーかと思ってな、構いにきたんだよ」
「私は散々鍛錬に付き合わせたのだから一人にしてやれと言ったのですが・・・」
『やれやれ』という風な紅虎、それに対し黒椎は響凱にぐいぐい来る。
「いいじゃねーかよ!なあ、響凱?ガタイのいいもん同士仲良くしようぜ!」
「む・・うむ・・・」
黒椎の勢いにたじろいでいる響凱。
「音羽!お前も縮こまってねーでこっち来い!腕相撲すっぞ!」
「ハハハ、遠慮します」
「オイッ!(ツッコミ)」
「黒椎殿の馬鹿力で腕が使い物にならなくなりますので」
「違いない」
「従順そうでサラッと毒吐くよなお前、それから紅虎!お前も同意すんな!」
「本当のことに同意して何が悪い」
「お前も大概馬鹿力だろうが!」
「使い処は見誤っていない、お前と一緒にするな」
「このっ・・・ああ言えばこう言う野郎だ!おっし!今日こそは決着付けてやる!来い!」
何故か腕相撲と言う名の力比べをする気満々な黒椎。
「くだらん」
「どうした~?『使い処は見誤らない』んだろう?なら今がその時だ、来いよ!
それともアレか?口だけの男だってことか?」
「・・・・・」
黒椎の言葉にピクッと青筋が経つ紅虎。
「いいだろう・・・吠え面かくなよ」
そして響凱の庵であるにも関わらず勝手に卓を占領し、腕相撲が始めようとする二人。
「ちょ、ちょっと?二人とも落ち着こうよ?」
「霧香、これは男鬼同士のけじめのつけ方だ、邪魔しねーでくれよ」
「霧香様、こいつには一度痛い目を見せてやった方がいいのです、お止めくださいますな」
二人の間に火花が見える。
「音羽、審判をしてくれ」
紅虎の言葉にため息をつく音羽、何故かと言うとこの二人、この『力比べ勝負』を今まで何回もしている二百数年前は優劣はあったものの最近では引き分けが多い。
初めはやらせていたのだが勝負がつかなくなり、鬼灯の中も壊されるので最高齢の晴哉の三人目の鬼が一喝し、止められたのだ。
それからというもの、その最高齢の鬼の存在と主である那津蒔が止めに入っていつも終わるのだ。強力な使役鬼がいるのは良いことだが、互いの力の勝負がつかずに更に鬼灯を破壊されては海野家としても困る。
「では、いきますよ・・・始め!」
「「っ!」」
お互いに力を腕に込める。
ぐぐぐぐっ・・・
ぎぎぎっ・・・ぐいっ!
ぎいっ!ぐぐぐぐっ・・・!
相手の腕を倒そうとすると堪えて、反対に相手の腕を倒しにかかる・・・それが繰り返される。
「響凱、ごめんね」
「いや、もう慣れたことだ」
どうやら響凱の庵で『力比べ』が行われるのはこれが最初ではないようだ。
「先日は庭先で槍で競い合っていた」
「は?!」
前項でもあったように黒椎と紅虎は武闘派だ、特に槍の使い手で血鬼術無しでも強い。
「庭・・・大変なことになったでしょ?」
「樹木が蜂の巣になった」
「あははは・・・」
想像できる。
二人が話している前でも彼らの力比べは続く。
「どうしたよ、紅虎っ・・・この程度かよ?」
「お前こそっ・・・加減をしているのではないだろうな?俺はこの程度では・・・倒せんぞっ」
二人とも気を緩ませる気配はない。
「今日も長引くね」
「ああ」
霧香と響凱が思った通り、二人の腕相撲は刻を過ぎても続けられた。
「お前っ・・・いい加減折れろよ・・・っ」
「冗談ではないっ・・・」
お互い刻を過ぎても同じ体制、同じ力加減をしているので疲弊して来ているようだ。