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夏休みの残り1か月、特に大会が終わってからなんてあっというまだった。
2学期が始まっても、9月なんてまだ暑い。半袖のシャツ、夏服の制服を久しぶりに身にまとって、御幸は教室の空気に触れていた。
「橘」
昼休みの教室は、生徒もまばらだった。教室で自席に一人座っている様子の夏実に見計らって声をかけると、こちらを見た。ちょいちょい、と手招きすれば、彼女は立ち上がって真っ直ぐ御幸の席へやってくる。
「なに?」
「なっちゃん、前に甘いモノ好 きだって、言ってたよね?」
「うん、だいすき!」
夏実は御幸の机に手をつくと、笑顔のまま即答で返してきた。よっぽどである。夏休みのあいだに話して知ったばかりのことだったが。
「じゃあコレ、なっちゃんにあげる」
そんな夏実を見上げながら、御幸は手に持っていた紙袋を彼女に差し出した。
それは昼食を食べる前、昼休みのチャイムが鳴った直後だった。
「御幸くん」
「え、なに」
突然、座っていた御幸に近付いてきた、同じクラスの女子生徒。……確か、吹奏楽部だったはず。野球部の応援についての話もしていた気がするから、という理由で覚えていた。
だが、それくらいしか知らない。今パッと名前も出てこないくらいの関わりしかない女子だった。何かと思い、つい身構える。
「コレ、『プレゼント』だって。『よかったら食べて』って」
そんな脈絡のない言葉を発すると、彼女は御幸の机の上にピンク色の紙袋を置いた。百円均一の店などのラッピングコーナーで売っていそうな、クラフト紙でできた取っ手のない小ぶりの紙袋。彼女の言葉からして、中身はおそらく手作りの菓子か何かの類であろうことは、経験上予想できた。
ふいに、彼女が教室の扉の方に目をやる。それにしたがってそちらを見れば、扉からこちらを覗き込むようにして立っている女子が二人ほどいた。おそらく彼女たちも、吹奏楽部のメンバーなのだろう。どちらの名前も知らない。
「あー……ありがと」
とりあえず目の前のクラスメイトにお礼を言ってそれを受け取り、そのあと一応廊下の二人にも目くばせし、軽く頭を下げる。一人の女子の後ろに隠れるようにしているもう一人が、プレゼントしてきた本人だろうか。確信はない。
すると彼女たちは、キャーといったような声を上げて、じゃれ合いながら走り去っていった。何だったんだ。
ああいうのって、直接は来ないんだよなあ。なんでだろ、と首をかしげながら中身を見ると、おそらくクッキーのようなものが数枚入っていた。御幸は、周りにバレない程度に、鼻でため息をついた。
「俺、甘いモンあんま好きじゃないんだよね」
あの女子には気の毒だが、こんなふうに渡された挙句、中身は苦手なモノで、正直あんまり食べる気がしなかった。
もらいモンだから、最終誰かにあげても俺の自由でしょ、と他人に言い訳するでもなく一人脳内で済ませることにする。
「差し入れか何か?」
「うん」
ガサッ、と紙袋に手を入れて、夏実は中身を1つ取り出した。よく見ると、チョコチップのような黒い粒が混ざっている。「いただきます」と一言つぶやいて、ぱくついた。
「あ、ゴメン、立ったまま。お行儀わるい」
「別にそれくらい」
クッキーをかじった後、口を押さえながら言う夏実に笑いかける。
「ん、おいしい!」
「ならよかった」
ニコニコ本当に美味しそうに、かじりかけのクッキーをぽいと口に入れて頬張っている。夏実はピンクの紙袋を手に取り、もう一度中身を見て言った。
「手作りだよね?」
「うん。なんか吹部の女子がくれた」
「へー」
表情も変えないまま、こちらを見下ろしてくる。御幸は、彼女の次の反応を待っていた。
「やっぱみゆきちゃんって、モテるんだね」
「『やっぱ』?」
前から思ってたってこと?
「うん、男前だもんね」
ああ、そっちか、と内心苦笑いする。確かにそれはいつも言ってくるもんな。
「せっかくもらったんだから、1コは食べたら?」
夏実はそう言って、ごく自然な動作で紙袋からクッキーを1枚取り出し、はい、と渡してきた。
「え……あ、うん」
あんまり好きではない、とは言ったはずだが。思っていた反応と違ったことで、流されてそのまま受け取ってしまった。
それ以上何もできず、その受け取ったクッキーを見つめてしまったが、御幸は話題を変えるように夏実のほうを向いた。
「あー……なっちゃん、甘いモノならなんでも好き?」
「うん! あ、でもいちばん好きなのは、お母さんの作るティラミス。絶品だよ!」
なるほど、前にも似たようなことを言っていたが、彼女の家族愛には唸らされる。ホントに好きなんだな。
「今度、みゆきちゃんも食べにおいでよ」
「んー」
2枚目のクッキーを取り出す夏実を横目に、曖昧にうなずいておく。寮に暮らしていては、そう行くこともないだろう。まあ、非現実的なお誘いだ。
「もっちーもおいでよ、ウチのお店」
「ん? おー、行けたらな」
なんとなく今の会話を聞いていたのかは知らないが、御幸の前の席に座っていた倉持が、振り返って夏実に返事をする。
「寮で生活してっから、それどころじゃねーかもだけど」
「あーそっかー。難しいもんね」
そんな倉持の回答を聞いて、ああ、濁すこともなかったな、と御幸は反省した。いまだに、手に持ったままのクッキーを見つめながら。
「橘ー」
「はーい」
そんな会話をしていると、夏実はクラスメイトの誰かに呼ばれて、向こうへ行ってしまった。
慌てて口に放り込まれる、2枚目のクッキー。そして机にポン、と置かれる紙袋。表面に、クッキーのバターであろう油分が染み出して滲んでいる。
「倉持も食う?」
「あー、お前甘いモン苦手だもんな」
倉持は、振り返って椅子に反対向きにまたがると、袋から1枚つまんで口に入れた。確か、彼は甘いものが好きだったはずだ。その証拠に、一口かじっては「うまっ」という声を上げている。
「なにコレ、マネから?」
「いや、さっき吹部のコがくれた」
御幸のその台詞を聞くと、倉持はいぶかしげに目の前の可愛らしい紙袋を見て、それから教室の後ろの方にいる夏実を見、もう一度袋を見てから、御幸に不審そうな顔を向けた。
「え、なにお前、女子からもらったモン、彼女にあげたの」
「うん。おいしいおいしいって言ってた」
「まあ……本人がいいならいいけど」
若干首をかしげながら、倉持は手にあった残りのクッキーをボリボリと音を立てて食らい尽くし、口に残っているのも構わず続けた。
「お前もそんな当てつけがましいことすんなよ、ガキじゃねーんだから」
「高校生はガキだろー」
「開き直んな」
いい加減、クッキーを持った指先がベタついてきた。倉持の言葉はもっともで、苦笑いしながら答える。
「でも不発だったなー、全然意識してくんねーの」
「お前、あいつになに求めてんの?」
ふいに言われたその言葉が引っかかって、御幸は思わずパッと倉持に目を合わせた。
「はっ? え、どういう意味」
「いや、そういうのが橘のイイところでもあるだろ。お前だってわかってて告ったんじゃねーの?、って思っただけ」
やはり2枚目のクッキーに手をつけながら、倉持が肩をすくめる。俺が橘に『何か求めてる』って?
しかし、た だ の ク ラ ス メ イ ト の倉持ですらそう感じるほど、夏実はそういった人間に違いなかった。彼女はきっと、その程度のことで──
「うんまあ、そう、なんだけど、」
『彼氏になったら、特別になれるかなって思ったから』
いつか夏実に伝えた、自らの言葉を思い出す。確かにそう言った。間違いなく本心だった。
いや、けど……つか、自分で言っといて、
「"特別"って、なんだろうな……」
「あん?」
唐突な御幸のつぶやきの意味がわからなかったのか、クッキーを食べていた倉持が眉をひそめる。
御幸は振り返って、教室の後方で同級生たちと談笑している夏実を見ながら、彼女に手渡されたクッキーを一口かじった。当たり前だが、想像していたとおり甘くて、すぐに飲み込む。口の中が乾いた。
「あまっ……」
どうせ食べきらなければならないのに、御幸はそれをなんだか恨めしく思って、歯先でちびちびと食べ進めることしかできなかった。
(倉持くんに「こいつめんどくせー奴だなー」と思われてそうな御幸くん。)
─────────────────────────
⚾橘 夏実(デフォルト:たちばな なつみ)
青道高校2年B組。陸上部では女子のキャプテンで、専門は中長距離と駅伝。いつも笑顔で、誰とでも親しくなれる、明るく素直な人懐っこい性格。
教室では人付き合いの悪い御幸に対してでも、気にせず話しかけてくれる。すらりと背が高く、ボーイッシュな容姿をしている。実家は高校の近くで飲食店を営む。
⚾御幸 一也
青道高校2年B組。夏の3年生引退を機に、野球部主将となった。野球の才能には恵まれているが、天の邪鬼で歯に衣着せぬ物言いの、食えない男。
自分と全く異なる行動指針の夏実を、気になって見ているうちに、彼女のことをもっと知りたいという興味が生まれ、ある日告白したところ付き合うことになった。
⚾倉持 洋一
青道高校2年B組。野球部副主将の一人。野球でそれどころじゃないだろ、と御幸を叱りつつも、クラスメイト二人の仲をなんだかんだ気にしてくれているいいヤツ。
正直彼女がいることはうらやましい。野球部一の俊足で、夏実とは1学期の体育祭の"男女混合・二人三脚リレー"でぶっちぎりの成績を叩き出し、クラスに貢献した。
2学期が始まっても、9月なんてまだ暑い。半袖のシャツ、夏服の制服を久しぶりに身にまとって、御幸は教室の空気に触れていた。
「橘」
昼休みの教室は、生徒もまばらだった。教室で自席に一人座っている様子の夏実に見計らって声をかけると、こちらを見た。ちょいちょい、と手招きすれば、彼女は立ち上がって真っ直ぐ御幸の席へやってくる。
「なに?」
「なっちゃん、前に甘いモノ
「うん、だいすき!」
夏実は御幸の机に手をつくと、笑顔のまま即答で返してきた。よっぽどである。夏休みのあいだに話して知ったばかりのことだったが。
「じゃあコレ、なっちゃんにあげる」
そんな夏実を見上げながら、御幸は手に持っていた紙袋を彼女に差し出した。
それは昼食を食べる前、昼休みのチャイムが鳴った直後だった。
「御幸くん」
「え、なに」
突然、座っていた御幸に近付いてきた、同じクラスの女子生徒。……確か、吹奏楽部だったはず。野球部の応援についての話もしていた気がするから、という理由で覚えていた。
だが、それくらいしか知らない。今パッと名前も出てこないくらいの関わりしかない女子だった。何かと思い、つい身構える。
「コレ、『プレゼント』だって。『よかったら食べて』って」
そんな脈絡のない言葉を発すると、彼女は御幸の机の上にピンク色の紙袋を置いた。百円均一の店などのラッピングコーナーで売っていそうな、クラフト紙でできた取っ手のない小ぶりの紙袋。彼女の言葉からして、中身はおそらく手作りの菓子か何かの類であろうことは、経験上予想できた。
ふいに、彼女が教室の扉の方に目をやる。それにしたがってそちらを見れば、扉からこちらを覗き込むようにして立っている女子が二人ほどいた。おそらく彼女たちも、吹奏楽部のメンバーなのだろう。どちらの名前も知らない。
「あー……ありがと」
とりあえず目の前のクラスメイトにお礼を言ってそれを受け取り、そのあと一応廊下の二人にも目くばせし、軽く頭を下げる。一人の女子の後ろに隠れるようにしているもう一人が、プレゼントしてきた本人だろうか。確信はない。
すると彼女たちは、キャーといったような声を上げて、じゃれ合いながら走り去っていった。何だったんだ。
ああいうのって、直接は来ないんだよなあ。なんでだろ、と首をかしげながら中身を見ると、おそらくクッキーのようなものが数枚入っていた。御幸は、周りにバレない程度に、鼻でため息をついた。
「俺、甘いモンあんま好きじゃないんだよね」
あの女子には気の毒だが、こんなふうに渡された挙句、中身は苦手なモノで、正直あんまり食べる気がしなかった。
もらいモンだから、最終誰かにあげても俺の自由でしょ、と他人に言い訳するでもなく一人脳内で済ませることにする。
「差し入れか何か?」
「うん」
ガサッ、と紙袋に手を入れて、夏実は中身を1つ取り出した。よく見ると、チョコチップのような黒い粒が混ざっている。「いただきます」と一言つぶやいて、ぱくついた。
「あ、ゴメン、立ったまま。お行儀わるい」
「別にそれくらい」
クッキーをかじった後、口を押さえながら言う夏実に笑いかける。
「ん、おいしい!」
「ならよかった」
ニコニコ本当に美味しそうに、かじりかけのクッキーをぽいと口に入れて頬張っている。夏実はピンクの紙袋を手に取り、もう一度中身を見て言った。
「手作りだよね?」
「うん。なんか吹部の女子がくれた」
「へー」
表情も変えないまま、こちらを見下ろしてくる。御幸は、彼女の次の反応を待っていた。
「やっぱみゆきちゃんって、モテるんだね」
「『やっぱ』?」
前から思ってたってこと?
「うん、男前だもんね」
ああ、そっちか、と内心苦笑いする。確かにそれはいつも言ってくるもんな。
「せっかくもらったんだから、1コは食べたら?」
夏実はそう言って、ごく自然な動作で紙袋からクッキーを1枚取り出し、はい、と渡してきた。
「え……あ、うん」
あんまり好きではない、とは言ったはずだが。思っていた反応と違ったことで、流されてそのまま受け取ってしまった。
それ以上何もできず、その受け取ったクッキーを見つめてしまったが、御幸は話題を変えるように夏実のほうを向いた。
「あー……なっちゃん、甘いモノならなんでも好き?」
「うん! あ、でもいちばん好きなのは、お母さんの作るティラミス。絶品だよ!」
なるほど、前にも似たようなことを言っていたが、彼女の家族愛には唸らされる。ホントに好きなんだな。
「今度、みゆきちゃんも食べにおいでよ」
「んー」
2枚目のクッキーを取り出す夏実を横目に、曖昧にうなずいておく。寮に暮らしていては、そう行くこともないだろう。まあ、非現実的なお誘いだ。
「もっちーもおいでよ、ウチのお店」
「ん? おー、行けたらな」
なんとなく今の会話を聞いていたのかは知らないが、御幸の前の席に座っていた倉持が、振り返って夏実に返事をする。
「寮で生活してっから、それどころじゃねーかもだけど」
「あーそっかー。難しいもんね」
そんな倉持の回答を聞いて、ああ、濁すこともなかったな、と御幸は反省した。いまだに、手に持ったままのクッキーを見つめながら。
「橘ー」
「はーい」
そんな会話をしていると、夏実はクラスメイトの誰かに呼ばれて、向こうへ行ってしまった。
慌てて口に放り込まれる、2枚目のクッキー。そして机にポン、と置かれる紙袋。表面に、クッキーのバターであろう油分が染み出して滲んでいる。
「倉持も食う?」
「あー、お前甘いモン苦手だもんな」
倉持は、振り返って椅子に反対向きにまたがると、袋から1枚つまんで口に入れた。確か、彼は甘いものが好きだったはずだ。その証拠に、一口かじっては「うまっ」という声を上げている。
「なにコレ、マネから?」
「いや、さっき吹部のコがくれた」
御幸のその台詞を聞くと、倉持はいぶかしげに目の前の可愛らしい紙袋を見て、それから教室の後ろの方にいる夏実を見、もう一度袋を見てから、御幸に不審そうな顔を向けた。
「え、なにお前、女子からもらったモン、彼女にあげたの」
「うん。おいしいおいしいって言ってた」
「まあ……本人がいいならいいけど」
若干首をかしげながら、倉持は手にあった残りのクッキーをボリボリと音を立てて食らい尽くし、口に残っているのも構わず続けた。
「お前もそんな当てつけがましいことすんなよ、ガキじゃねーんだから」
「高校生はガキだろー」
「開き直んな」
いい加減、クッキーを持った指先がベタついてきた。倉持の言葉はもっともで、苦笑いしながら答える。
「でも不発だったなー、全然意識してくんねーの」
「お前、あいつになに求めてんの?」
ふいに言われたその言葉が引っかかって、御幸は思わずパッと倉持に目を合わせた。
「はっ? え、どういう意味」
「いや、そういうのが橘のイイところでもあるだろ。お前だってわかってて告ったんじゃねーの?、って思っただけ」
やはり2枚目のクッキーに手をつけながら、倉持が肩をすくめる。俺が橘に『何か求めてる』って?
しかし、
「うんまあ、そう、なんだけど、」
『彼氏になったら、特別になれるかなって思ったから』
いつか夏実に伝えた、自らの言葉を思い出す。確かにそう言った。間違いなく本心だった。
いや、けど……つか、自分で言っといて、
「"特別"って、なんだろうな……」
「あん?」
唐突な御幸のつぶやきの意味がわからなかったのか、クッキーを食べていた倉持が眉をひそめる。
御幸は振り返って、教室の後方で同級生たちと談笑している夏実を見ながら、彼女に手渡されたクッキーを一口かじった。当たり前だが、想像していたとおり甘くて、すぐに飲み込む。口の中が乾いた。
「あまっ……」
どうせ食べきらなければならないのに、御幸はそれをなんだか恨めしく思って、歯先でちびちびと食べ進めることしかできなかった。
(倉持くんに「こいつめんどくせー奴だなー」と思われてそうな御幸くん。)
─────────────────────────
⚾橘 夏実(デフォルト:たちばな なつみ)
青道高校2年B組。陸上部では女子のキャプテンで、専門は中長距離と駅伝。いつも笑顔で、誰とでも親しくなれる、明るく素直な人懐っこい性格。
教室では人付き合いの悪い御幸に対してでも、気にせず話しかけてくれる。すらりと背が高く、ボーイッシュな容姿をしている。実家は高校の近くで飲食店を営む。
⚾御幸 一也
青道高校2年B組。夏の3年生引退を機に、野球部主将となった。野球の才能には恵まれているが、天の邪鬼で歯に衣着せぬ物言いの、食えない男。
自分と全く異なる行動指針の夏実を、気になって見ているうちに、彼女のことをもっと知りたいという興味が生まれ、ある日告白したところ付き合うことになった。
⚾倉持 洋一
青道高校2年B組。野球部副主将の一人。野球でそれどころじゃないだろ、と御幸を叱りつつも、クラスメイト二人の仲をなんだかんだ気にしてくれているいいヤツ。
正直彼女がいることはうらやましい。野球部一の俊足で、夏実とは1学期の体育祭の"男女混合・二人三脚リレー"でぶっちぎりの成績を叩き出し、クラスに貢献した。
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