アリア・ルージュの妄信


いつまでも色あせない
記憶の中に閉じ込められて
前にも進めず
後ろにも引き返せない
異質な鎖をつけられた

色はあの日の時間の中に
声はあの日の時空の奥に
放った感情の箱の鍵は
どこで失くしてしまったのか

置き去りにされたように
視界にうつる光景は
醜悪に黒く染まっている

赤い十字架を刻みながら
いつか終わる復讐を信じて
その日、白濁の中で少女は死んだ。
異質な匂いに包まれて、全身を粘着質な白い液体に覆われて、乱れた着衣が物語る悲惨な光景を何と表現すればいいのだろう。世界は日常に溢れている。何気ない会話、変わらない秒針、規則正しく進む人波。それでもここに、雲が形を変えるように、ガラスが粉々に砕けるように、一輪の花が小さな種を産んだ。

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