番外編
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
『ハロウィン前夜』
ハロウィンの衣装に身を包んだ公演前夜。
最終調整を終えたらしいソテツが少し疲れたように煙草を吸っているところに遭遇した。
「よぉ。いま、帰りか?」
姿を見かけるなり、煙草を消して近づいてくる。
メイクを落としていないのはわざとなのか、ただ忘れただけなのか。人気のないバクステでその顔を見るには少し迫力がありすぎた。
「ああ、怖がらせちまったな」
なんて、無邪気な笑顔に胸が高鳴る。その顔から目が離せなくてじっと見つめることしか出来なかった。タバコの残り香。練習後の熱気。いつもと同じ部分と、いつもと違う部分。そのとき、ふとソテツの唇にピアスがついているのが目に入った。
「それ、痛くないんですか?」
思わず尋ねてしまった問いかけに、「ああ、これか?」とソテツは思い出したように唇に指を這わす。
音もなくソテツの手の平に転がった銀色のピアスは少ない照明の中で不気味な光を放っている。
「つけてみるか?」
悪戯な笑みが後頭部を巻き込んで、いつのまにか唇がソテツの指につかまっていた。
「っ」
痛みのない違和感が下唇を撫でてくる。
「どうだ。痛くないだろ」
そう言ってまた笑った至近距離の瞳に囚われるくらいには、痛みに変わる鋭い感覚が胸の内に沸いて、明日からのハロウィンの恐ろしさを記憶に刻んだ。
* * * * *
2019/10/21 Twitter掲載
最推しのソテツが出るハロウィンイベントの前夜に深夜のノリとテンションで自給自足したショートストーリー。
クチのピアスもどき?
あれ普段していないからキスのときちょっと邪魔そう~みたいな。「試してみるか?」って普通に言いそう~てきな。そんな妄想をしていたら、「つけてみるか?」ってなって生まれた話。