アリア・ルージュの妄信
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Date:間奏
「自分が受けた傷の痛みを緩和させるために、同じ痛みを他人に負わせることは罪になるのか」
薄い赤色の照明が見守るベッドの上で、男はブラジャーのホックをつける少女の後ろ姿に視線を送っていた。
「んー、おじさんの言ってることちょっと難しいや」
あどけなさの残る幼い声が振り返る。肩までの黒い髪、化粧はしていない。真面目に勉強をしているのか、彼女が下着を置いていた鞄の中には参考書が入っていた。どこにでもいる普通の少女。彼が少女と出逢ったのは、都会の雑踏にある何でもない日常の片隅だった。
「きみはお父さんと仲がいい?」
「え?」
パンツをはきながら首をかしげる姿は、さきほどまで男の下で欲情の声をあげていたのと同一人物とは思えない。そういえば、妻も。と、男はふとよぎった顔を思い出した。
「パパとは普通に仲いいよ」
その普通とはどの程度の仲を差すのだろう。曖昧な表現に苦笑しながら男はベッドの上で「そうか」と小さく答えた。
「ねえ、おじさんには娘いないの?」
「おじさんには子どもがいないんだよ」
「そうなんだ、じゃ、奥さんってどんな人?」
不意に尋ねられて返答に困る。彼女に他意も悪意もないのだろうが、男は数秒考えてから「綺麗な人だったよ」と意味を含んだ答えをだした。
好奇心旺盛な少女が食いつかないわけがない。ブラジャーとパンツだけの状態で再度、のそのそと男に歩み寄るようにベッドの上に戻ってきた彼女は「どうして過去形なの?」と、また直球に質問をぶつけてくる。キラキラした瞳。体を売った男に対して懐いてしまうのは何故なのか。
「きみも壊れているのかもしれないな」
「え、なに、答えになってない」
もう一度、情事を開始するようにキスを迫る男の仕草に少女はクスクスと笑って、その体をベッドの上に投げ出す。つけたばかりのブラジャーの蕾を指でひっかかれると、可愛い子猫のような泣き声をあげて男の脳を誘った。
「妻もそんな声をあげていたよ」
「あっ…っ…なに?」
下着をとりはらわれて、乳首に吸い付いた男の髪をつかみながら少女はのけぞる。ころころと舌で転がす小さな感情が徐々に甘い吐息に変わっていくのを確認しながら、男はこすりあわせた足の間に手のひらを差し込んだ。
「待って」
少女の両手が男の顔を掴む。
「もう一回するなら、もう一回分払ってよ。前払い、ね。欲しいものがあるの」
勝気の声が男を刺激したに違いない。くすりと笑みを深めた男の目に何をみたのか、少女の顔が真っ青に染まっていく。
「僕の妻は、きみのお父さんにタダで体を提供していた」
「え、なに、待って、どういうッァ!?」
「大丈夫だ、きみのお父さんが僕の妻を妊娠させたように、僕も同じものを贈ってあげよう」
「え。なになに、ちょっとァっ…ヤッ」
生まれながらに備わっている力も、生きてきた年月も、経験も何もかもが雲泥の差がある中で、少女の抵抗は無意味に咲く花。
「やッ…ぅイッ…ァッあ…ぁ」
はいたばかりのものを脱がされ、折り曲げられた足の間に深くそれは突き刺さる。
「生じゃんッちょ、ダメダメだめ…ッ…今日はアァまじ、で…やばいんだっヤぁ」
包み込むように抱き留められて、激しく腰を突かれてしまえばそれで終わり。特に初めてというわけではい少女の体は、幾人もの大人たちの調教をうけてきたからか、すんなりと現状を受け入れている。心でいくら否定しても、体は快楽に順応するように躾けられている。
それが金品という目的のために失った、悲しい少女の末路なのかもしれない。
「や…ッアァ…やだ…中…だ、アッ」
そこから少女の声は何時間続いたかはわからない。のけぞった滑らかな肌に男の唇の跡を刻み、乱れたシーツの海の端を握りしめて嬌声に啼き、最後は男にすがりつくように高い声で果てていた。
「どうしてこんな、ぅ、中、ダメっていったのに」
しくしくと泣き声をもらす少女の上に紙幣と写真をばらまきながら、男は何色でもない瞳を深めてニヤリと不気味なほど優しい声で少女にささやく。
「お父さんによろしく」
ゴポリと白い液体が逆流した幼い膣には、たしかに男の種が注ぎ込まれていた。