この綺麗な女子にも流川は切れてしまうのではないか、クラスの男子が固唾を飲んで見守った。
流川は最初はぼーっとしていたが、ゆっくりたちが上がり、鞄を手にして、静かに教室を出て行った。
その流川に、仁美もついて行く形で後をおった。

2人がら出ていった教室では、大ニュースの様に騒ぎ立てていた。
あの女子は彼女なのか、2人は付き合っているのは、この事はしばらく1年の噂になった。

学校からしばらく離れた所で、流川は仁美と合流した。
朝来た様に、流川は仁美を乗せて、帰路についた。
平穏な学校生活を送るために、流川との関係は公にはしないと思っていたので、流川は今回の仁美の行動は疑問に思っていた。

「楓とは、親戚って大義名分があるから大丈夫！」
何が大丈夫か、分からないが、仁美はそう言って笑っていた。
言葉通り次の日から仁美は流川との関係を聞かれたら、従兄弟と答えていた。
何故か大抵の生徒はそれで納得してくれたから驚きだ。

上手く収められてる事に流川は多少の不満を持つ。
これで、流川と仁美は公認の親戚になっていた。

10組まであるこの高校は、中々のマンモス校の為、同じ1年でもクラスが離れると中々接点は無かった。
その間に仁美は自分の生活の基盤を作っていた。

流川は性格なのか、あまり友達を作ろうとはせず、仁美は密かに心配をしていたが、それは流川には見せないでいた。
それでも学生生活の中で流川を気にしてはいた。

入学して間もない頃、流川は屋上でよく寝に行っていることに仁美は気づいていたが、あえて注意はしていたかなかった。