【完結】【鬼滅の刃】霞屋敷のふろふき大根には柚子の皮が乗っている【時透無一郎】
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🐿
「ったく、さっきのガキ達も腹が立ったけど、柱のそいつはもっと腹が立つ…」
「そうだ…子供達!! どこなの??」
「あー、あいつら?」
無一郎にかけた血鬼術とは違う術を使用して、森の中のあちこちに閉じ込めている。
先程夕霧が持っていた人間の足は、子供達より前に捕まえた通行人の物だと言う事だった。
「寺子屋の帰りか何か知らねーけど〈祇園精舎の鐘の声 諸行無常の響きあり〉!!ってうるさくてさあ」
「祇園精舎…???」
「何だよ、知らねえの? 平家物語」
「平家……源氏じゃなくて?」
ゆずはのこの言葉を聞いた夕霧は、何故か急に嬉々とした表情になった。
「何、あんた! 源氏物語知ってんの?? 俺の名前、そこからついたんだよ。あのお方が気に入ってる書物なんだって」
「………」
思いつきで言っただけの発言が、何故か目の前の鬼の心に響いたらしい。ゆずははしばし複雑な気持ちを味わっていた。
「あの女に似てるだけじゃなくて、俺の気持ちも良くしてくれるなんて……あんた本当最高だね。早く喰いたいなあ」
自分を卑しい目つきで見ながら舌なめずりをする夕霧に、ゆずはは背筋がブルッと震えてしまう。どうにかこの鬼から逃れる方法はないのか。
無一郎は術によって閉じ込められたままだ。ならば ——
「はあ? 俺があんたにかけた術がどんな物か知りたい? 別にいーけど」
『よし……機嫌が良くなった。これで少しでも時間が稼げれば!!』
たまたまゆずはの発する言葉に気分を良くした鬼。彼女は一か八かの勝負に出た。
「俺の血鬼術って空間を自在に操れるんだよね。因みにあんたにかけたのは…」
夕霧は右人差し指で上空を指した。ゆずはが視線をやると、空は水色である。
「明るいよな? でも本当はこんな感じ」
右手を頭上に向けた鬼は、空を掴み取るような仕草をした。
すると ———
「えっ?? 夕方???」
彼女の視界に入ったのは橙に色づいた空だ。
「ったく、さっきのガキ達も腹が立ったけど、柱のそいつはもっと腹が立つ…」
「そうだ…子供達!! どこなの??」
「あー、あいつら?」
無一郎にかけた血鬼術とは違う術を使用して、森の中のあちこちに閉じ込めている。
先程夕霧が持っていた人間の足は、子供達より前に捕まえた通行人の物だと言う事だった。
「寺子屋の帰りか何か知らねーけど〈祇園精舎の鐘の声 諸行無常の響きあり〉!!ってうるさくてさあ」
「祇園精舎…???」
「何だよ、知らねえの? 平家物語」
「平家……源氏じゃなくて?」
ゆずはのこの言葉を聞いた夕霧は、何故か急に嬉々とした表情になった。
「何、あんた! 源氏物語知ってんの?? 俺の名前、そこからついたんだよ。あのお方が気に入ってる書物なんだって」
「………」
思いつきで言っただけの発言が、何故か目の前の鬼の心に響いたらしい。ゆずははしばし複雑な気持ちを味わっていた。
「あの女に似てるだけじゃなくて、俺の気持ちも良くしてくれるなんて……あんた本当最高だね。早く喰いたいなあ」
自分を卑しい目つきで見ながら舌なめずりをする夕霧に、ゆずはは背筋がブルッと震えてしまう。どうにかこの鬼から逃れる方法はないのか。
無一郎は術によって閉じ込められたままだ。ならば ——
「はあ? 俺があんたにかけた術がどんな物か知りたい? 別にいーけど」
『よし……機嫌が良くなった。これで少しでも時間が稼げれば!!』
たまたまゆずはの発する言葉に気分を良くした鬼。彼女は一か八かの勝負に出た。
「俺の血鬼術って空間を自在に操れるんだよね。因みにあんたにかけたのは…」
夕霧は右人差し指で上空を指した。ゆずはが視線をやると、空は水色である。
「明るいよな? でも本当はこんな感じ」
右手を頭上に向けた鬼は、空を掴み取るような仕草をした。
すると ———
「えっ?? 夕方???」
彼女の視界に入ったのは橙に色づいた空だ。