【完結】【鬼滅の刃】霞屋敷のふろふき大根には柚子の皮が乗っている【時透無一郎】
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誰かが言った。
無一郎は自分に無頓着だと。
誰かが言った。
彼は記憶障害で苦しんでいると。
誰かが言った。
そんな無一郎にゆずはが必要なのだと。
ゆずはは無一郎の着物の袖をぎゅっと握って、無一郎を見上げた。
無一郎の無表情の目線は、もう気にならなかった。
「あなたは柱様です! あなたの命はあなただけのモノじゃありません! あなたが傷付けば!困る人がたくさん居ます! …心配する人が……!」
ゆずははそれだけ言うと、無一郎の腕に頭を下げた。
ゆずはの腕を払わずに、無一郎はゆずはの言葉の続きを待った。
「…心配する人が…私だけだとお思いですか?」
無一郎の腕を掴むゆずはの手が震えている。
それだけで、この手を払う理由は無かった。
「……私が無一郎様の傷の心配をするのが、そんなに疎ましいでしょうか?」
フルフルと体を震わせて、今にも泣きそうなゆずはの顔に。
無一郎はハッと我に返った。
「ゆずは…要らないと言ったのは…」
本当にたいした事ないと思っていたからだ。
ゆずはが心配する様な傷では無いと、伝えたつもりだった。
無一郎はあらためて自分の体を見た。
鬼にも傷付けられた事の無い体が、血を流している。
「…………」
この姿を見て、ゆずはが手当をしたいと思うのは当たり前だった。
ぎゅっと離さないゆずはの手を見て、無一郎は小さくため息を吐いた。
「……ゆずは…傷はたいした事無いんだ」
そんな筈は無い。
流れている血がそれを物語っている。
「いいえ、私にお見せくださいませ」
ぎゅっと目を顰めて、ゆずはは無一郎に言った。
そんなゆずはに、無一郎は折れてゆずはに従った。
誰かが言った。
無一郎は自分に無頓着だと。
誰かが言った。
彼は記憶障害で苦しんでいると。
誰かが言った。
そんな無一郎にゆずはが必要なのだと。
ゆずはは無一郎の着物の袖をぎゅっと握って、無一郎を見上げた。
無一郎の無表情の目線は、もう気にならなかった。
「あなたは柱様です! あなたの命はあなただけのモノじゃありません! あなたが傷付けば!困る人がたくさん居ます! …心配する人が……!」
ゆずははそれだけ言うと、無一郎の腕に頭を下げた。
ゆずはの腕を払わずに、無一郎はゆずはの言葉の続きを待った。
「…心配する人が…私だけだとお思いですか?」
無一郎の腕を掴むゆずはの手が震えている。
それだけで、この手を払う理由は無かった。
「……私が無一郎様の傷の心配をするのが、そんなに疎ましいでしょうか?」
フルフルと体を震わせて、今にも泣きそうなゆずはの顔に。
無一郎はハッと我に返った。
「ゆずは…要らないと言ったのは…」
本当にたいした事ないと思っていたからだ。
ゆずはが心配する様な傷では無いと、伝えたつもりだった。
無一郎はあらためて自分の体を見た。
鬼にも傷付けられた事の無い体が、血を流している。
「…………」
この姿を見て、ゆずはが手当をしたいと思うのは当たり前だった。
ぎゅっと離さないゆずはの手を見て、無一郎は小さくため息を吐いた。
「……ゆずは…傷はたいした事無いんだ」
そんな筈は無い。
流れている血がそれを物語っている。
「いいえ、私にお見せくださいませ」
ぎゅっと目を顰めて、ゆずはは無一郎に言った。
そんなゆずはに、無一郎は折れてゆずはに従った。